前略、殺し屋カフェで働くことになりました。

[著者:竹内佑/イラスト:イセ川ヤスタカ/ガガガ文庫]★★

 迅太のように、何も事情を知らない者がうっかり
迷い込んで足を踏み入れてしまった場合、そこが隠
れ家カフェのように見えるのかも知れない。だから
いきなり殺すだの始末だの物騒な事言われても、な
かなかこう迅太に迫る身の危機的な実感を持つ事が
出来ない。強面マスター四日市以外、殺しに手を染
めているようには到底思えない女の子ばかりだし。
 そんな具合なので、たとえ実際に殺伐としたヤバ
そうな空気に満ちていたとしても、その中で迅太の
命の猶予が一週間と強制決定されたとしても、後半
色々分かるまでは「本当にこの娘達が殺しを請け負
うの?」って感じで。その辺りの殺るの? 殺らな
いの? の不確かな緊張感が印象に残りました。

学園者! ~風紀委員と青春泥棒~

[著者:岡本タクヤ/イラスト:マグカップガガガ文庫]★★

学園者!: ~風紀委員と青春泥棒~ (ガガガ文庫)

学園者!: ~風紀委員と青春泥棒~ (ガガガ文庫)

 堅物イメージな風紀委員ってよりも、柔軟対応な
何でも屋とか便利屋って印象。学内風紀を取り締ま
る側がそれでいいんかい、って適当さはありました
けども。まあ生徒三千人規模の高校ではね。生真面
目に立ち回っても変に気疲れしてしまうのかな、そ
れなら椎名みたいになるべく肩の力抜いて振舞って
た方がやり易いのかな、とか思ったりしました。
 おそらく登場した癖の強い人達も、全体から見れ
ばまだまだごく一部な気もしますが、椎名はそう言
う人達から結構人望があって顔も知られていて、あ
まり表には出難いけれど有能さも買われているんで
すよね。猪突猛進な天野を制御しつつ、今後の変人
さん達とどんな風に向き合って行けるか見物です。

デスペラード ブルースII

[著者:江波光則/イラスト:霜月えいとガガガ文庫]★★

デスペラード ブルース (2) (ガガガ文庫)

デスペラード ブルース (2) (ガガガ文庫)

 その日暮らしで日銭を稼ぎ、最低限生きて行ける
ならば惰性に身を委ねる。そんなに自主性が無いよ
うには見えないんだけど、今の白夜の生き方がそん
な風に感じられるから、過去の回想がえらく眩しく
映ってしまう。もっとも、過去だって決して綺麗な
生き方してなくて、むしろ鳴海や水産高連中との絡
みで荒みやさぐれている印象の方が強いですけど。
 白夜の方は面倒事避けたがってるのに、良くない
意味で彼に関わりたい相手からちょっかい掛けられ
てばかりいる。その上何か劣勢に陥る事ばっかりで
悔しさに歯軋りしてしまったりとか。痛い目散々見
てるんだから、家族を殺害された真相もそろそろ手
の中に転がり込んで来てくれないものだろうか。

既刊感想:

クラスメイトが使い魔になりまして

[著者:鶴城東/イラスト:なたーしゃ/ガガガ文庫]★★

クラスメイトが使い魔になりまして (ガガガ文庫)

クラスメイトが使い魔になりまして (ガガガ文庫)

 第13回小学館ライトノベル大賞
 『ガガガ賞』&『審査員特別賞』受賞作。

 現代社会に魔術要素が突如現れた、みたいな感じ
で最初ちょっと面食らってしまいました。根本の発
生起源などにはあまり詳しく触れられてなかったの
で、とりあえず既に魔術要素が一般に受け入れられ
て定着している状況、と捉えておけばいいのかな。
 もしもクラスメイトの美少女が使い魔になったら
……と言う状況は確かに間違いじゃないですが、む
しろ主人の方がこき使われているような? 想太の
とにかく気力無しで面倒臭がりの事なかれ主義な性
格で、こうなってしまってる所もありますが、二人
の掛け合いは見ていて楽しく微笑ましいですね。
 想太の過去の件は大分伏せられたままなので、次
は茉莉花と千影との過去もハッキリ見せて欲しい。

ピンポンラバー3

[著者:谷山走太/イラスト:みっつばー/ガガガ文庫]★★

ピンポンラバー (3) (ガガガ文庫)

ピンポンラバー (3) (ガガガ文庫)

 翔星はいわゆる天才型ではなく、努力型に加えて
感情を爆発させて力に変えるタイプ。コーチの一代
が言っていたように、ある特定の状況下に置かれた
時に真価を発揮する、普段からは考えられないよう
な能力を繰り出す。翔星の場合は劣勢に追い込まれ
ながらも相手の特性を充分に把握出来た時、そして
自らが試合を通じて最大限に“楽しい”と感じられ
ている時。その辺りは個人的な解釈ですけど、大抵
の場合は翔星のそんな姿にワクワクさせられます。
 今回は主に椿のお話。通じ合っているようで、実
はちょっと互いに負い目があって遠慮し合っている
ようで。こういう状況はちょっと意外でしたが、一
生懸命本音をぶつけ合う姿はとても輝いてました。

既刊感想: