あのねこのまちあのねこのまち 壱

[著者:紫野一歩/イラスト:旅空/講談社ラノベ文庫]★★★

あのねこのまちあのねこのまち 壱 (講談社ラノベ文庫)

あのねこのまちあのねこのまち 壱 (講談社ラノベ文庫)

 第6回講談社ラノベチャレンジカップ『大賞』受賞作。

 何気なく日常から切り離された異界へ迷い込んで、
最初はちょっとした出逢いで、ちょっとした関わり
で終わる筈だったのに……。よくよく思い返してみ
ると、ただの人間の幸一が猫又のフミと何時の間に
か関係を深めている状況は、ちょっと不思議な感じ
でしたね。切っ掛けはあれども、特に幸一がそれ以
上フミに深入りする理由も事情も無かった訳で。
 だから最後のフミに対する幸一の覚悟に、正直な
所「何で幸一がそこまでするのか……」って気持ち
はありましたね。だってこの後に続いてゆく幸一の
生き方を思うと……ねえ。ただ、理屈じゃなくて単
純に幸一からフミへ放たれた一言の想いが答えだっ
たのだろうなと。そこは痛い程伝わって来ました。

ビューティフル・ソウル ―終わる世界に響く唄―

[著者:坂上秋成/イラスト:ニリツ/講談社ラノベ文庫]★★

 既にどうしようもなく“詰んでいる”状況をどう
覆すのか? 人類滅亡が確定した世界に待ったを掛
けて起死回生の一手を打てるのか? ランジェとい
う特効薬を見出し、更に成功率を上げるであろうク
ラナを手中に収める事が出来た分、辛うじて希望は
持ち続けていられるのかな、と言った具合です。
 もっとも、ファミリアとのやり取りを見て、こん
な時世に人類同士が手を取り合えず連携し合えず協
力し合えないのでは、「どうしようもねえなあ」と
落胆してしまいましたけど。思想の差異による敵対
心は、ウイルスを除去するようには消し去れません
から。WEAKSより性質が悪いですよ。共闘の構
図が全く見出せなくて、現状絶望しかありません。

勇者のセガレ2

[著者:和ヶ原聡司/イラスト:029/電撃文庫]★★

勇者のセガレ2 (電撃文庫)

勇者のセガレ2 (電撃文庫)

 異世界転移してからがスタートではなくて、異世
界転移するのが康雄のゴール地点みたいな。実際に
は異世界行った先でも(話が続けば)事は更に続く
見込みなので、当面の目標みたいな感じですけど。
 しかしこちら側に持ち込まれた事情にしても、異
世界アンテ・ランデの現状にしても、未だに状況整
理が付いてない印象なんですよね。酷く取っ散らか
っていて、何を何処からどんな風にして手を出した
らいいのか分からないような。しかも康雄もハリー
ヤにあっさり異世界渡航を否定されて、それが説得
力のある意見なもんだから、何を指標に頑張ればい
いのか迷路にハマっちゃって気の毒でしたね。見え
難いものが明確になって来れば良いのですけど。


既刊感想:

キラプリおじさんと幼女先輩2

[著者:岩沢藍/イラスト:Mika Pikazo電撃文庫]★★

キラプリおじさんと幼女先輩(2) (電撃文庫)

キラプリおじさんと幼女先輩(2) (電撃文庫)

 ゲーセンで、女児向けゲームの筐体にへばり付い
て、周りも見えずに熱中して必死にプレイしている
男子高校生を見掛けたらどう思います? って話な
んですけど……やっぱり「好きなものは好きなんだ
から周囲の視線なんてどうだっていいし俺には関係
ねえよ」の姿勢を貫ける翔吾の事を羨ましく思いま
す。何か前巻でも同じ事言ってた気もしますが。
 作中での『キラプリ』のゲームには正直あんまり
興味を引かれないんですけど、これを今自分が時間
を忘れてどハマりしてしまっているモノに置き換え
てみると、案外しっくり来るのかも知れません。
 あとロリコン容疑な翔吾ですが、まあ千鶴や芹菜
側から慕う分には微笑まくて良い感じなのかな?

既刊感想:

迷宮料理人ナギの冒険2 ~消えた13区と新たなるレシピ~

[著者:ゆうきりん/イラスト:TAKTO/電撃文庫]★★

 中盤過ぎる位までは、ダンジョン内の魔獣が主な
食材だとあまり意識しないようにすれば、飯テロな
展開。終盤は飯テロも介入出来ない程のグロ注意な
展開。雰囲気の落差に凄まじいものがありました。
 想定外で想像以上の鬱展開に、ちょっとどう反応
すればいいのやら呆然となってしまいました。この
世界のダンジョン探索は決して容易くも甘いもので
も無いんですけど、それにしても容赦ないですね。
 実力者のヤァギでさえ相手にならないのに、戦え
ないナギが太刀打ち出来るとはとても思えないんで
すけど、料理の特殊能力が効果を発揮する機会はあ
るんでしょうか? 希望を持ち続けたい所ですが、
こう圧倒的な絶望を見せ付けられてしまうと……。

既刊感想: