魔王城のシェフII 魔神のグルメバーガーで制する美食の闘宴

[著者:水城水城/イラスト:artumph/ファミ通文庫]★★

 異世界転生者で、魔族になった為身体能力が飛び
抜けて高く、料理人としての実力も超一流。どこの
主人公ですか? って話ですが、本編主人公シイガ
君の事ではなく、これ全部彼のお師匠様の事です。
 主人公シイガ、魔王ルイーナ、勇者グレイス、そ
れぞれに頑張ってみても、シイガの師匠の存在感に
持って行かれてしまう流れでした。だって、我が強
く自己主張の激しいルイーナを震え上がらせる位で
すから、あらゆる点で圧倒的に強過ぎなんですよ。
 シイガとの関係性が語られて、最後はちょっとい
い話で落ち着きましたけど、何だか師匠の登場以降
ルイーナが終始押されっ放しだったので、次は盛り
返して彼女らしい見せ場も作って欲しいですね。

既刊感想:

異世界建国記

[著者:桜木桜/イラスト:屡那ファミ通文庫]★

異世界建国記 (ファミ通文庫)

異世界建国記 (ファミ通文庫)

 なんかしっくり来ない。トラックに轢かれて転生
には「はいはいそうですね」で流せたんですけど、
飢餓状態とは言えサソリを躊躇無く踊り食いとか、
子供達を守る為とは言え害する人間を刺し殺すとか、
転生後間も無いのに容易く出来る事かなあ? 農作
業だって知識だけあっても経験なく実践して成功す
るとは限らないし、子供の姿で国王との交渉も簡単
に行くものじゃないだろうし、異世界言語理解もこ
んな容易くはなさそうだし……転生前の事は何も語
られてませんが、どんな人物だったんでしょうね。
 どうも容易くこなし過ぎているのが作業的に感じ
られ、作業をこなすだけのアルムスの感情がサッパ
リ伝わって来ないかったのが主な不満らしいです。

英雄世界の英雄譚

[著者:空埜一樹/イラスト:桑島黎音/ダッシュエックス文庫]★★

英雄世界の英雄譚 (ダッシュエックス文庫)

英雄世界の英雄譚 (ダッシュエックス文庫)

 この状況下で、グレンが『白銀の英雄』じゃなか
ったら誰が『白銀の英雄』なんだよっ! って実力
の無さから完全に自分を除外していたグレンに何度
ツッコミ入れくなった事か。最後の最後ででとりあ
えず何とか、自分が過去にリディアを支えた『白銀
の英雄』だと自覚してくれてホッとしましたよ。
 ここからもう既に次に興味が移っていて、一番は
やっぱりグレンがリディアとの過去を共に辿るのが
何処までになるのか、ですね。全てが終わってリデ
ィアの前から消え去って現世に戻るのか、それとも
道の途中で終わったりするのか、或いは歴史とは違
った道を辿ってしまうのか。様々な可能性が広がる
この先、早く追いたくて知りたくて堪らないです。

骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー!!

[著者:望月充っ/イラスト:すーぱーぞんび/ダッシュエックス文庫]★★

骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー! ! (ダッシュエックス文庫)

骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー! ! (ダッシュエックス文庫)

 救いようの無いクズを見た。けれども、腐れ外道
な鈴木の行為の数々を目の当たりにしても、そんな
に嫌な気分にならなかったのは何故でしょうか?
 ハメられた女の子達が意外と鈴木に好感を抱いて
いて、報復したい程の恨みつらみはあれども、一方
で大胆不敵な動向に惹かれるものを感じている、み
たいな具合でしょうかね。対して野郎キャラの扱い
はそれはそれは酷いものでしたが、何か妙に鈴木の
やり方に否を付き付ける事が出来ない。これはわざ
わざ自己啓発本などに頼らずとも、鈴木自身が元々
人身掌握術に長けていたと言う事なのかどうか。
 一応話にケリはつきましたが、鈴木は今後も異世
界をしゃぶり尽くせばいいんじゃないでしょうか。

召喚されすぎた最強勇者の再召喚

[著者:菊池九五/イラスト:カグユヅダッシュエックス文庫]★★★

 異世界召喚から現実世界への帰還まで、この一冊
で追体験を味わえる内容に仕上がっています。召喚
されてからの異世界体験よりも、主人公のアキトが
役割を終えてから帰還の時が訪れてしまう部分、こ
こを重視した描き方だったのが特に印象的でした。
 通算10回の異世界召喚も原因不明の“体質”と
割り切り、俺つえーな要素も軽くあっさり流されて
いました。対して、召喚された理由や帰還の条件に
ついてや、セリナの恋心とアキトとの触れ合いなど
は丁寧に描かれていて好感触でした。異世界人はい
ずれ帰還しなければならない運命を背負っていて、
そこには必ず誰かとの別れがある。終盤から結末ま
での二人のこのシーンはとても素敵なものでした。