SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

誰でもなれる!ラノベ主人公 ~オマエそれ大阪でも同じこと言えんの?~

[著者:真代屋秀晃/イラスト:karory/電撃文庫]★★★

 何故舞台が大阪なんだろうか? 果たして大阪に
する必要性はあっただろうか? 別に他の地域でも
構わなかったんじゃないだろうか? 最初はこんな
疑問符ばかり頭をぐるぐる回ってましたが、読み進
める内に自然としっくり来るようになりました。
 この殺伐かつ混沌とした賑やかしな空気は大阪の
地ならではだなと。まあ実際行った事はないのであ
くまでイメージですが。この辺の大阪への馴染みが
有る無しでも思い入れは違って来るかと思います。
 一つの大きな舞台で、様々な登場人物が様々な思
惑を抱えながら収束して行く群像劇の醍醐味を充分
に堪能出来る内容でした。まだまだ魅力の引き出し
は沢山ありそうなので、続きも見てみたいですね。

Disファンタジー・ディスコード 異世界が嫌いでもエルフの神様になれますか?

[著者:囲恭之介/イラスト:凪白みと/電撃文庫]★★

 SF大好きVSファンタジー大好き。相容れるこ
との無い真っ向からの互いの主張の衝突。然して興
味を抱かない側からすれば不毛な争いで、ハッキリ
言ってどーでもいいわ的な事であり。まあ、気心知
れた幼馴染み同士でやってるんで、いちゃついてる
様にしか見えません。お前らいい加減にしろ的な。
 結局その辺は歩み寄りがあり、ロボットアクショ
ンとファンタジー世界が手を取り合った内容に落ち
着きました。そこにプラスして異世界転移が絡んで
来る感じなのですが、ゲーセンの大型筐体の内部が
異世界の巨大人型機体のコックピットに転移する、
と言うアイディア。この要素が一味違った異世界転
移ものに仕上げてくれていて特に印象的でした。

魔人執行官(デモーニック・マーシャル)3 スピリチュアル・エッセンス

[著者:佐島勤/イラスト:キヌガサ雄一/電撃文庫]★★

 NEOによる世界同時多発被害。日本に影響ある
かと言えば別にそんなでもありませんでしたが、ま
るで離れた場所で意思共鳴を起こしているかのよう
なこの事態は、得体の知れない怖さがありました。
 とは言え、日本国外でNEO被害が甚大であろう
とも、国内から戦力を派遣可能な状況では無く、こ
れにどんな意味があろうとも、他国の様子を見据え
ながら国内防衛に全力を注ぐしかないんですよね。
 そんな背景を横目にしつつの、世良・冴凜との完
全決着戦。しかし初期の頃から妙に大物感を醸し出
していた割に、何か最後は呆気ない結末でちょっと
不満が残ってしまいました。世良も数多のNEOの
内の一人に過ぎない、と言う事なのでしょうかね。

既刊感想:

引きこもり英雄と神獣剣姫の隷属契約2 白の追想と沈黙帝の刃

[著者:永野水貴/イラスト:鈴城敦/MF文庫J]★★

引きこもり英雄と神獣剣姫の隷属契約2 白の追想と沈黙帝の刃 (MF文庫J)

引きこもり英雄と神獣剣姫の隷属契約2 白の追想と沈黙帝の刃 (MF文庫J)

 ソウガ族長のティーガは、これじゃあ慎重過ぎる
逃げ腰、と白火に揶揄されても仕方ないんじゃない
でしょうか。白火が拉致されてもイマイチ奪還への
積極性が感じられないのは、結局縁が切れたら切れ
たで自分達でどうとでもなる、と言う人間不信によ
る排他的精神が根深く残っているからなのかなと。
 白火だって本当は他種族の面倒事は嫌だし背負い
込みたくないだろうし、それでも動いた結果『獣の
末裔』達を救う流れになってしまう。それなのに救
出に消極的でグウィンばかりが気を吐いている。こ
の辺りでどうにもイラッとさせられる。今回は白火
とアミラ、グウィンが苦痛を味わうばかりだったの
で、ティーガ等との歩み寄りも見たい所ですよね。

既刊感想:

引きこもり英雄と神獣剣姫の隷属契約 ふたりぼっちの叛逆譚

[著者:永野水貴/イラスト:鈴城敦/MF文庫J]★★

引きこもり英雄と神獣剣姫の隷属契約 ふたりぼっちの叛逆譚 (MF文庫J)

引きこもり英雄と神獣剣姫の隷属契約 ふたりぼっちの叛逆譚 (MF文庫J)

 自らを餌にする決死のグウィンに釣られたとは言
え、助けを請われ半強制的に平穏な住処から引きず
り出された挙句、『獣の末裔』達からは下賎な人間
と忌避されてしまう。白火が憤りを覚えるのも無理
からぬ事と思いますよ。彼の胸の内と同調する様に
扱いの理不尽さにイラついてしまいましたから。
 勢い付いて白火を連れ出したグウィンも、思いの
外一族の中では弱い立場だったから、余計に鬱憤が
溜まったりもしました。『封命具』の事実を知って
白火に怒りをぶつけた時は「あんたが無理矢理連れ
てきたんだろうが!」ってなりましたよ実際。一応
受け入れられてホッとしましたが、邪法には違いな
いので、果たして今後どんな扱いになるのやら。