SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

幼馴染の山吹さん

[著者:道草よもぎ/イラスト:かにビーム/電撃文庫]★★

幼馴染の山吹さん (電撃文庫)

幼馴染の山吹さん (電撃文庫)

 呪いをかけた何らかの存在に、どんな思惑があっ
たのか。小春が張本人なのかその代理人なのか、ち
ょっとハッキリしませんでしたが、そこに喜一郎と
灯里のよりを戻そうとする意図が感じられました。
 何故かと首捻って考えても結局「よく分からん」
となってしまったので、続刊でもっと深く掘り下げ
られる事になるのかどうか。この終わり方だと解釈
も色々出来そうで状況判断に迷う所なので、二人の
記憶の行方がどうなったのか知りたいですよね。
 まあ傍から見たら幼馴染み同士が失われた親密な
関係を思い出すべくいちゃいちゃしてるだけにしか
見えないんですけどねー。何となくリセットされた
状況で、喜一郎にはもっと自信を持って欲しいな。

陰キャになりたい陽乃森さん Step1

[著者:岬鷺宮/イラスト:Bison倉鼠/電撃文庫]★★

陰キャになりたい陽乃森さん Step1 (電撃文庫)

陰キャになりたい陽乃森さん Step1 (電撃文庫)

 難易度高過ぎなので、もう諦めて別の策を探した
方が手っ取り早いんじゃ……って思ってしまいまし
た正直面倒臭くて。途中で鹿家野が似たような事呟
いていて、ちょっと共感覚えたりもしましたけど。
 本人の自覚と、自分以外の他者からの印象とが相
まって、“キャラ付け”が為されるものだと思うの
ですが、意識して変えようとするのって大変な労力
だよなあと。面倒臭さと言うのはその辺りで感じら
れて、しかも鹿家野からすれば自分じゃなくて他人
(陽乃森)をどうこうしようって訳ですから。厄介
なのが最初から分かっているのによく引き受けまし
たよ本当に。滅法押しに弱く、なかなか突っ撥ねら
れないのも陰キャらしいって事なのでしょうかね。

誰でもなれる!ラノベ主人公 ~オマエそれ大阪でも同じこと言えんの?~

[著者:真代屋秀晃/イラスト:karory/電撃文庫]★★★

 何故舞台が大阪なんだろうか? 果たして大阪に
する必要性はあっただろうか? 別に他の地域でも
構わなかったんじゃないだろうか? 最初はこんな
疑問符ばかり頭をぐるぐる回ってましたが、読み進
める内に自然としっくり来るようになりました。
 この殺伐かつ混沌とした賑やかしな空気は大阪の
地ならではだなと。まあ実際行った事はないのであ
くまでイメージですが。この辺の大阪への馴染みが
有る無しでも思い入れは違って来るかと思います。
 一つの大きな舞台で、様々な登場人物が様々な思
惑を抱えながら収束して行く群像劇の醍醐味を充分
に堪能出来る内容でした。まだまだ魅力の引き出し
は沢山ありそうなので、続きも見てみたいですね。

Disファンタジー・ディスコード 異世界が嫌いでもエルフの神様になれますか?

[著者:囲恭之介/イラスト:凪白みと/電撃文庫]★★

 SF大好きVSファンタジー大好き。相容れるこ
との無い真っ向からの互いの主張の衝突。然して興
味を抱かない側からすれば不毛な争いで、ハッキリ
言ってどーでもいいわ的な事であり。まあ、気心知
れた幼馴染み同士でやってるんで、いちゃついてる
様にしか見えません。お前らいい加減にしろ的な。
 結局その辺は歩み寄りがあり、ロボットアクショ
ンとファンタジー世界が手を取り合った内容に落ち
着きました。そこにプラスして異世界転移が絡んで
来る感じなのですが、ゲーセンの大型筐体の内部が
異世界の巨大人型機体のコックピットに転移する、
と言うアイディア。この要素が一味違った異世界転
移ものに仕上げてくれていて特に印象的でした。

魔人執行官(デモーニック・マーシャル)3 スピリチュアル・エッセンス

[著者:佐島勤/イラスト:キヌガサ雄一/電撃文庫]★★

 NEOによる世界同時多発被害。日本に影響ある
かと言えば別にそんなでもありませんでしたが、ま
るで離れた場所で意思共鳴を起こしているかのよう
なこの事態は、得体の知れない怖さがありました。
 とは言え、日本国外でNEO被害が甚大であろう
とも、国内から戦力を派遣可能な状況では無く、こ
れにどんな意味があろうとも、他国の様子を見据え
ながら国内防衛に全力を注ぐしかないんですよね。
 そんな背景を横目にしつつの、世良・冴凜との完
全決着戦。しかし初期の頃から妙に大物感を醸し出
していた割に、何か最後は呆気ない結末でちょっと
不満が残ってしまいました。世良も数多のNEOの
内の一人に過ぎない、と言う事なのでしょうかね。

既刊感想: