［著者：塀流通留／イラスト：ねぶそく／ＭＦ文庫Ｊ］★★
突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ! 3 わかった、とりあえずみそ汁を作ってくれ。 (MF文庫J)
実妹の凛音の残念っぷりに拍車が掛かっていたよ うな気がして、こんな彗に弄られっ放しなアホの子 だったっけ？ とか首を捻りつつ。それでも今回三 人の妹キャラ（嫁候補）の中では、一番印象に残る ような内容だったかなあと。やけにアクの強い凛音 の義父母が登場してきた時点で、今回は空や青葉と 比べて彼女に優位性があったのかも知れません。 彗に関しての新たな“晴天の霹靂”については、 それを匂わせるヒント的な描写は幾つもありました よね。ただ、それが今の関係性にどう影響を及ぼす か、この先の展開が気になる所です。凛音だけは多 大な影響（恩恵？）を受けたようですが、果たして ラストの彗の宣言がどれ程この娘達に響く事やら。 既刊感想：１、２
［著者：塀流通留／イラスト：ねぶそく／ＭＦ文庫Ｊ］★★
突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ! 2 わかった、指輪のサイズを教えてくれ。 (MF文庫J)
改めて眺めて見てみると、如何に常軌を逸した頭 のおかしいイカれた内容なのかがよーく分かりまし たよ『兄妹和親条約』。真相知らされた神子の言い 分があまりに正論過ぎて、そりゃ異常性を真っ向か ら突き付けられた彗からはぐうの音も出ませんわ。 まあハッキリ言って彗が条約守ろうが破ろうがど っちでも良くて。どっちに転んでも面白く盛り上が りそうってのもありますが、どちらかと言えば死守 したい彗の心境も何かやたらとぐらつきまくりでし ょう？ もう大体の興味は選ぶとしたら誰にするの か位で、あとは恋愛発展か妹継続かで揺れに揺れま くってる彗の動向をニヤニヤ見守るだけですね。妹 達の気持ちはあからさまに明確なわけですから。 既刊感想：１
嫁エルフ。2 ~前世と来世の幼なじみをデレさせることになった俺~ (MF文庫J)
一応それなりに纏まりましたが、きっと本来想定 していたのはこうではなかった筈。悔いや無念がひ しひしと感じられるのは辛いものがありますね。 前巻で惹き込まれた前世と来世の中継ポイントの 設定は、今回は何とか話を纏めるべく強引かつ駆け 足気味だったせいか、物語の中であまり活かせてい ない印象で、すっかり魅力が霞んでしまいました。 千雨（前世）とハイネ（来世）の、“同一人物が 同じ世界に存在している問題”も、本当はもっと腰 を据えてルミナに向き合って欲しかったんですけど ね。千雨の気付きやハイネの思惑についても同じ様 な印象で。筋は通っていましたが全てが解決した訳 ではなく、仕方ないですが物足りなく思いました。 既刊感想：１
舞桜が抱えている問題は、彼女と同じ様な状況や 立場に居なければ、もしかすると本当の意味ではそ の気持ちを理解してあげる事が出来ないのかも知れ ません。実際読んでいて、舞桜の口から正直に打ち 明けられて、それでもつい「他にやり様もあったの では……」とか思ってしまう辺り、なかなか同じ目 線では理解できなさそうだなあと思わされました。 その、通常ではどうしようもない心の溝を必死に なって埋めようとする行為。全く反りが合わないよ うに見えて、まるで運命に導かれ惹かれ合うように 同調してみせる姿。舞桜と千愛と「チアーズ」が出 逢う切っ掛けとなったチアリーディングを通じて、 とても熱の篭った盛り上がりを見せて貰えました。
［著者：弥生志郎／イラスト：Hiten／ＭＦ文庫Ｊ］★★★
ライトノベル作家と編集者、出版関係と重版や打 ち切りに繋がる売上事情などのお話。兄妹関係の特 殊性や変態性を前面に押し出したものだろうか、と イメージしていましたが、驚く程に正攻法でした。 作家の苦悩、生みの苦しみ、書きたいものを書く べきか流行と売上を意識した内容にすべきか、その 選択と葛藤。編集者の仕事、どのようにして作家と 向き合うべきか、成功に繋がる道へ導く事が出来る のか……などなど。実際にはどうかハッキリとは分 かりませんが、かなり現実に近い所に寄り添う描き 方という印象で、非常に惹き込まれる内容でした。 しかしこれって、同業側の方が色々思う所があり そうな気もしました。紘が賭けた最後のとか特に。
