SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ニューゲームにチートはいらない!2

[著者:三木なずな/イラスト:なたーしゃ/GA文庫]★★

ニューゲームにチートはいらない! 2 (GA文庫)

ニューゲームにチートはいらない! 2 (GA文庫)

 本来の意味でのチートではないので、「チートは
無い」と言われれば「はぁそうですかぁ」と返すし
かないのですけど。強くてニューゲームなのも、性
行為で死んで脱皮して甦る能力も、「ズルい!」と
言いたくなるような能力なわけで、それで何もない
とか言われると何かもやもやっとなるんですよね。
 ずーっと同じような疑問が頭を巡っていて、そん
なんならルーカスは他人とは違う反則的な力を持っ
ているんですよ、と潔く開き直ってくれた方が余程
スッキリした気分で物語を見ていられるのになあ。
 まあ前世70歳の童貞おじいちゃんが今謎の力の
導きで報われている! と思えば許せてしまえるの
か。どこまで上って行くかそっと見守りたいです。

既刊感想:

君と夏と、約束と。

[著者:麻中郷矢/イラスト:磁油2/GA文庫]★★

君と夏と、約束と。 (GA文庫)

君と夏と、約束と。 (GA文庫)

 第9回GA文庫大賞『奨励賞』受賞作。

 喜野が二人の間に割り込んで唐突に語り始めた時
はかなり面食らいましたが、ヒナタが口にした喜野
の過去に僅かながら出自のヒントらしきものもあっ
たので、一応は納得出来たかなと。本来は喜野につ
いても掘り下げて欲しい気持ちはありましたけど。
 ヒナタも葉月も、お互いに相手を好きな気持ちが
あって、でも本当は求めている人とは“違う”とい
う気持ちもあって、全部受け入れた上でのこの展開
は、大きな辛さや切なさを抱きつつも、とても素敵
で清々しいものでした。が、ただ一点、本来ヒナタ
が欲した葉月の事はずっと放置で、それ故にこの結
末は容易には受け入れられずで。完結編とでも副題
つけて、その辺をハッキリさせて欲しいものです。

月とうさぎのフォークロア。 St.3 天てらす月、其は夜にかがやくしろうさぎ。

[著者:徒埜けんしん/イラスト:魔太郎/GA文庫]★★

 柏木さん、どうにか報われて欲しいぞ。と常々思
ってはいるのですが、不遇な上に出番も少なくて朔
にアピールする機会も他の近しい娘達より絶望的な
までに与えられず、もうどうすりゃいいのよって感
じですよね。物語の立ち位置の曖昧さも不利な状況
に拍車を掛けているようで、柏木さん一人だけ文字
通り“住む世界が違う”から仕方ないのかなあ。
 物語の本筋の方は、朔が気に掛けていた優月と天
月一家を巡るいざこざにケリを付ける内容で、一応
これで一段落と言った具合です。エピローグで柏木
さんが同じ舞台に乗れた感じなので、他の娘達が強
過ぎるのは心配ですが、女同士の仁義無き(朔を巡
る)抗争でも起こしてくれないものでしょうか。

既刊感想:

ゴブリンスレイヤー6

[著者:蝸牛くも/イラスト:神奈月昇GA文庫]★★

 ゴブスレさんの中でゴブリンを殺す事が生命活動
の中心になっているのは相変わらずでしたが、ゴブ
リンを殺す事が“全て”では無くなっているのは明
確で、その辺りはやっぱり初期の頃からのゴブスレ
さんと比べて大きな変化だなあと思わされます。
 何せ今回、微苦笑ながらも「笑った! あのゴブ
スレさんが笑ったよ!」でしたから。フッと零した
のを目の当たりにしただけで、あまりの珍しさに衝
撃が走りました。これがいつものメンバー達と全く
違う所で見せているのがちょっと良いんですよ。
 あとは未熟な女神官が昇級目指して頑張る、そん
な成長エピソードとしての見応えもありました。緊
迫した場面で見せた意志の強さが印象的でしたね。

既刊感想:

暴血覚醒(ブライト・ブラッド)2

[著者:中村ヒロ/イラスト:加藤いつわ/GA文庫]★★

暴血覚醒《ブライト・ブラッド》2 (GA文庫)

暴血覚醒《ブライト・ブラッド》2 (GA文庫)

 徹底した女尊男卑の格差をぶち壊し、ようやく弥
彦を始め男子生徒達の平穏な学校生活が見られるよ
うになりました。ただ、一方で「こいつらちょっと
弛み過ぎじゃね?」とか思ったり。男女間の壮絶な
争いを目の当たりにした後では、どうしても能力血
戦で同等の刺激が欲しくなったりするんですよね。
 下着盗難事件で弥彦が冤罪を負わされたり、白黒
つけるために学校裁判や体育祭っぽいイベントをこ
なしたり、和気藹々で楽しいけれども「これじゃ熱
くなれねぇよ!」と言う気持ちも正直ありました。
 冒頭の二人が弥彦を加熱させる存在になるかと思
ってたのですが、思わせ振りな様子を見せていた割
には小物感が過ぎてちょっと期待外れだったかも。

既刊感想: