SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ロード・オブ・リライト ―最強スキル《魔眼》で始める反英雄譚―

[著者:十本スイ/イラスト:柴乃櫂人富士見ファンタジア文庫]★★

 敵は帝国、こちらは反旗を翻す革命軍、特に状況
把握のし易さをを意識して描かれているような、導
入部分からスッと容易く物語の中に没入出来るよう
な、そんな手応えが好印象の王道ファンタジー。
 むしろ主人公が日本からの異世界転生者って設定
要ります? とか首を傾げてしまうくらい、読んで
いて全然その手のジャンルのイメージが抱けなかっ
たんですけど。5歳児なのに大人の知識、程度でし
ょうか。あっても無くても構わなくて、アクスはこ
の世界で生まれ育った、としても違和感なくて。
 ちょっと戸惑いを覚える部分でした。今回は幼少
期の回想が主だったので、また話が進めば異世界転
生設定が活かされる場面も出て来るのでしょうか。

クズと天使の二周目生活2

[著者:天津向/イラスト:うかみ/ガガガ文庫]★★

クズと天使の二周目生活 2 (ガガガ文庫)

クズと天使の二周目生活 2 (ガガガ文庫)

 桃也が抱えている事情と、1度目に『わかばラジ
オ』が崩壊した事情が分かっていると、彼の言動は
充分に理解出来るけれど、それを知らない立場から
すればチャンスを捨てるような否定意見に嫌悪や不
信を抱いてしまうのかも知れない。誰にも言えなく
て上手く行かない。そんな歯痒さがありますよね。
 崩壊を回避しようと立ち回れば立ち回るだけ、桃
也の態度が悪影響を及ぼしてしまいそうで、むしろ
それが崩壊に直結してしまうのでは……と言う不安
もありました。何とかなったのは、やっぱり記憶と
経験を2度目に引き継いでいたお陰かな。ただ、単
純に原因を回避するだけでは成功しない可能性も出
てきて、更に難しい事になりそうな気もします。

既刊感想:

ジャナ研の憂鬱な事件簿3

[著者:酒井田寛太郎/イラスト:白身魚ガガガ文庫]★★★

ジャナ研の憂鬱な事件簿 3 (ガガガ文庫)

ジャナ研の憂鬱な事件簿 3 (ガガガ文庫)

 痒い所に手が届きそうであと一歩届かない“もや
もやした”状況から、何とか頭を絞って手を届かせ
る方法を探し出し、最後には痒さが解消されてスッ
キリとした読後感を味わわせてくれる。2話目みた
く事件性で忌避したくなる場面もあるにはあるので
すが、その辺りの苦味は些細な事で、ちょっとした
謎解き要素も含めて3編とも実に面白かったです。
 今回は、啓介が「これまでと違う」と幾人かに指
摘されていましたが、実際にどうかと言えば、多少
は積極性が増した……のかな? ただ、変われてな
ければ、ユリの窮地に衆目に晒されるの承知で壇上
に立ったりはしなかったかも。真冬との微妙な距離
感の関係で、もっと変わるようになるのかどうか。

既刊感想:

物理的に孤立している俺の高校生活4

[著者:森田季節/イラスト:Mika Pikazoガガガ文庫]★★

 修学旅行の班決めイベントがあったせいか、業平
の自虐に満ち溢れた孤立感が一層高まりまくってい
たような。野島君が言ってるのは多分、人研と違っ
てクラスじゃ暗いね、じゃなくてクラスでも人研の
時みたく振舞ってくれればいいのに、だと思うよ。
 後輩・朝熊雫の難儀な依頼を遂行する裏で、実は
業平の“クラスで男子友達いなくて孤立”感がやけ
に強調されていた方がずっと気になっていたんです
よね。前々から「ドレイン能力のせいだから」と業
平自身の方で線を引いている所があって、実際クラ
スメイトからはそれ以外で避ける声は全然聞かれな
い。何とか受け入れられて欲しいって気持ちは常に
あって、なので最後はちょっと嬉しかったですね。

既刊感想:

出会ってひと突きで絶頂除霊!2

[著者:赤城大空/イラスト:魔太郎/ガガガ文庫]★★

 これは酷い(誉め言葉)。晴久の絶頂除霊乱舞も
さることながら、この一冊で何回ロリコンロリコン
言ってんだよって程にロリコン塗れのロリコン回で
した。別に幼女が新キャラとして登場しているわけ
でもないのに、どうしてこうもロリコン色が強いの
か、そもそも何でロリコンだったのか、考える程に
ロリコンに汚染されてしまう錯覚に陥ってしまいそ
うな勢いでロリコンがトラウマになりそうでむしろ
毒を以て毒を制す的な効果でロリコン治療に持って
来いなのかも知れない。要するにロリコンでした。
 この頭のおかしくなるような酷さから、急に真面
目に晴久の能力の事を語られると妙に戸惑ってしま
うわけですよ。そこら辺の落差も面白味の内かな。

既刊感想: