SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 5.可能性を繋ぐ者達

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]★★★

 クマニーサンことレイの兄・シュウの出陣と、
対フランクリン戦完全決着の巻。肩書はバレバレ
でしたけど、ちょっと規格外過ぎません? この
圧倒的火力を見るに無敵のようでいて、でも実際
には互角以上に渡り合える存在もあるんだから、
『超級』と呼ばれる存在達がどれだけ異常で異質
でデタラメかと言うのが良く分かります。まあそ
れ言ったら、相性やタイミングの絶妙さがあった
とは言え、『UBM』やフランクリンの超常モン
スターを討伐してみせるレイも大概ですけどね。
 あと気になったのは現実とゲーム内の人物像の
差異や、ゲーム内のNPC『ティアン』とは一体
何なのか、とか。色々考えさせられる部分でした。

既刊感想:

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 4.フランクリンのゲーム

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]★★★

 マリー、ルーク、レイ対フランクリン勢力の三
連戦。どれもプレイヤーの個性を最大限に際立た
せた戦闘描写で、見応え充分で存分に楽しませて
貰えました。ルークとマリーの存在は、前の外伝
である程度の掘り下げはありましたが、ここに繋
げる為の準備段階って感じだったのかな。とりわ
けルークに関しては、これでまだ“ルーキー”と
かって……格上相手を容易く凌駕している辺り、
まだ成長過程にあると思うと末恐ろしいですね。
 そして最後のレイ対フランクリン戦、個人事情
を徹底的に優先するフランクリンの妄執に恐怖を
覚えつつ、己の持てる力を振り絞って立ち向かっ
たレイの最後の後ろ姿がとても印象的でした。

既刊感想:

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 3.超級激突

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]★★

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 3.超級激突 (HJ文庫)

-インフィニット・デンドログラム- 3.超級激突 (HJ文庫)

 迅羽って〇〇だったの? 今回最も衝撃的だっ
た事。あとがき雑談でさらりと言われてしまいま
したよ。本編でそうだと分かるような描写あった
かな。見落としてたかも? 何せ容姿や口調だけ
じゃ色々と正体分かり難い人でしたからねえ。
 まあそれはさておき。今回はメインの『超級激
突』と、外伝の前日エピソードによる二部構成な
内容でした。レイは前巻の大立ち回りから一転し
て傍観者でしたが、超級同士の間に割って入る事
なんて出来はしないので仕方なし、と言った具合
です。ドライフ皇国がアルター王国を潰すみたい
な話は前々から出ていて、それが表面化した今、
果たしてレイがどんな形で介入して行くのか。

既刊感想:

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 2.不死の獣たち

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]★★

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 2.不死の獣たち (HJ文庫)

-インフィニット・デンドログラム- 2.不死の獣たち (HJ文庫)

 ゲームを世に送り出す前の段階で、もしも適正
審査みたいなのがあるとすれば、今回みたいなの
って大丈夫なのかなあ、審査に引っ掛からないの
かなあ、とか余計な心配をしてしまいましたが。
 それ程今回の敵対者のやっている事が凄惨過ぎ
て、果たして“あくまでゲームの中での出来事”
と割り切れるのかどうか。現実世界と遜色が無い
のは素晴らしい技術で、存分にゲームを盛り上げ
プレイヤーを楽しませてくれる要素と思います。
 ただ、一方であまりに現実と差異が無い為、没
入し過ぎて境界線が曖昧になってしまう危険性を
孕んでいるような気もしています。レイの同一視
は物語のテーマの一つとなっているのかなと。

既刊感想:

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]★★

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり (HJ文庫)

-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり (HJ文庫)

 それまで実用化が困難だったフルダイブ型VR
MMOが、殆ど前触れもなく完成形として一般世
間にお披露目されたとなると、「何か裏があるん
じゃないか……?」とか妙に勘繰ってしまいたく
なったりも。もっとも、大多数のプレイヤーはゲ
ームの完成度に納得が出来ればあとは存分に楽し
むだけなので、そんな運営の裏事情なんて気にも
留めないでしょうけど。レイの“本当にゲームな
のか?”の呟きが妙に意味深で印象的でした。
 椋鳥玲二=レイにとってのゲームスタートで、
序盤の駆け出し冒険者な雰囲気を追体験で十分に
楽しめました。レイの成長と共に、まだ伏せられ
ている色々も徐々に明かされて行くのでしょう。