SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

この世界で9番目ぐらいな俺、異世界人の監視役に駆り出されました2

[著者:東雲立風/イラスト:あれっくす/角川スニーカー文庫]★★

 前巻最後に滑り込みでクレスにプロポーズかま
してくれたクラリスがメインの回。あとクレスに
絡む災厄『VI』ことマキナの登場回。当初からク
レスの監視対象とされていた異世界勇者達は、殆
ど端役扱いになってしまいました。なんか勇者と
して召喚された割には扱いがぞんざいでちょっと
悲しんですけど、クレスの目がマイ達の方に向け
ばまた違った扱いになるんでしょうか。何とか埋
もれさせずに活躍の場を与えて欲しい所です。
 あと度々クレスの監視内に介入して来る『正体
不明』については、影はあるが形がハッキリしな
いと言った印象。クラリスを狙った理由も、昔の
転移者の思惑も結局よく分かりませんでしたね。

既刊感想:

この世界で9番目ぐらいな俺、異世界人の監視役に駆り出されました

[著者:東雲立風/イラスト:あれっくす/角川スニーカー文庫]★★

 異世界転移の勇者達を監視する、異世界側の主
人公・クレス視点の物語。時折勇者達側の視点も
混じっていましたが、あくまで彼ら彼女らは脇役
であって、クレスの引き立て役って感じでした。
 肩書は、異世界中でおそらく9番目に強い災厄
級の異能所有者、との事。そんなクレスが、本来
の力を伏せてまで魔法学園に潜入し監視任務を請
け負う。その対象になる程の価値が、果たして勇
者達にあったのだろうか、と。今の所、眺めてい
る感じでは大した事ないなあって印象ですが、も
しかしたらクレスに任務を与えたエリザに何らか
の意図があるのかも知れません。まだ未知数な部
分もあるので、気にしつつ追ってみたいです。

日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神

[著者:相野仁/イラスト:桑島黎音/角川スニーカー文庫]★★

 さえないおっさん? ええー? 誰が? って
印象だったんですけども。バルさん。十代後半か
ら二十代前半の人から見れば、確かに三十代はお
っさんに見られるのかも知れませんけど、少なく
ともバルのこの外見容姿からだと明らかに“実年
齢よりも若く”見られるでしょう? まあこの世
界では「これでも充分おっさんなんだ」、と言わ
れてしまえば最早何も口出し出来ませんけどね。
 そんなわけで、傍目からはおっさん扱いらしい
地上最強格であるバルさんの隠密庶民活動。不穏
な動きの敵対者が何なのかまだよく分かってませ
んが、これだけ圧倒的強さなら全く問題ないので
は? 割と安心して見ていられそうな感じです。

スピリット・アームズ オブリビオン 君と剣聖少女の未完成な現実

[著者:本山葵/イラスト:姐川/角川スニーカー文庫]★★★

 第23回[春]スニーカー大賞『特別賞』受賞作。

 どれだけ技術革新が進み便利で住み良い世の中
になったとしても、人間の身体の仕組みだけは研
究を重ねても完全解明には至れない。たとえひと
つの解に辿り着いたとしても、直ぐにまた別の新
たな原因不明の謎が浮かび上がって来るような。
 末次文音の秘密を知って、彼女が抱える致命的
な身体の欠落を理解しながら、そんな風な感覚で
この物語の世界観を捉えていました。文音の症状
が原因不明で現状回復が見込めない、と断言され
たら、通常赤の他人の部外者なんて何にも出来な
いもんですよ。それを覆して宏介が必死になって
介入してみせたのは本当に凄いの一言で。何とか
今後快方の切っ掛けを掴んで欲しいですよね。

異世界ゲーム神話大系 可愛い女神のお願いなのでユニークスキルで異世界を少しひねってくる

[著者:山志多寿/イラスト:すーぱーぞんび/角川スニーカー文庫]★★

 第23回[春]スニーカー大賞『特別賞』受賞作。

 亜麗が意外に聡明なのか、それとも神様側のナ
ミたちが抜けているのか。ともあれ三国神合戦に
関する規定のルールブックが存在するなら、せめ
て亜麗みたく熟読しましょうよ。抜け道の特別ル
ールに気付けなければどうなっていた事やら。
 まあ突然「人類存亡の命運は貴方の行動に掛か
っている」とか言われて、逃げ道も塞がれたらそ
りゃ必死にもなりますわ。とは言え、自己中心的
な思考ではなく、高天原の腐敗した現状から奴隷
扱いされている人間達を救おうと奮い立つ姿はな
かなかの好印象でした。想像力と妄想力と厨二パ
ワー描写はやや控えめな感じで、この辺りは神器
争奪が激化すれば、盛り上がって来るのかなと。