SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。2

[著者:しめさば/イラスト:ぶーた/角川スニーカー文庫]★★★

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。2 (角川スニーカー文庫)

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。2 (角川スニーカー文庫)

 吉田と沙優の事情に対し、後藤さんや矢口が無
神経かつ無遠慮に介入しているのを見て、一時は
随分憤りを抱きました。良くも悪くも無関係では
ないにせよ、関わり方が不快感極まりなくて。
 でも、一旦深呼吸して落ち着いてみると、たと
え自分達が納得していても、世間一般の視線で異
常に映るのはどう考えても吉田と沙優の関係の方
で。そこにやり口はともあれ正論をぶつけられる
と、反論の威勢も萎んでしまう。不快感与えた後
に後藤さん視点の心情を晒すとか、ちょっとうま
いなあとかズルいなあとか思ってしまいました。
 このまま停滞し流されたままではいけない、こ
の気付きが良い方へ向かって欲しいものです。

既刊感想:

回復術士のやり直し3 ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~

[著者:月夜涙/イラスト:しおこんぶ/角川スニーカー文庫]★★

 ケヤルガの中の復讐心、以前に比べてめちゃく
ちゃ軽いものになってません? ケヤルとして世
界を『回復』してからフレアに対して復讐心を抱
いていた頃って、もっと醜悪で重苦しくドロドロ
した雰囲気が蔓延していた気もするんですけど。
 何か最近は、復讐に美学やらポリシーやらを持
ち込んだり、“復讐ポイント”とか加算するよう
になったり。わざわざ復讐する為の正当性を与え
てから、ゲーム感覚でノリノリで楽しんでやって
るような感じで、剣の勇者も妹姫もあっさり陥落
だったし。随分変わったなあって印象でした。
 でもまあ、これもケヤルがようやく明るく楽し
く生きられる心のゆとりが持てた証なのかな。

既刊感想:

回復術士のやり直し2 ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~

[著者:月夜涙/イラスト:しおこんぶ/角川スニーカー文庫]★★

 復讐を完璧に遂行するべく、常に用意周到で万
全を期して事に当たっているようで、実は結構詰
めが甘かったり迂闊だったりな印象もあるんです
よね。近衛騎士隊長を始末しなかった事とか、姿
を変えても案外“ケヤルガが事を起こした”痕跡
を残してしまい、そのせいで足が付いたりとか。
 ケヤルガ自身、己の甘さが招いた自覚は充分抱
いているみたいだし、敵が回復術士ケヤルの正体
まで届かないような立ち回りにも抜かりは無いの
で大丈夫そうですけど。ただ、元々の根は優しく
てお人好しなので、復讐鬼と化せば相手に容赦は
無くとも、それ以外の場面での予期せぬ油断や甘
さに足を掬われないか心配な部分もあります。

既刊感想:

回復術士のやり直し ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~

[著者:月夜涙/イラスト:しおこんぶ/角川スニーカー文庫]★★★

 勇者の称号とやらはド変態人間の中にしか宿ら
ないものなのだろうか……。特に中盤の第零話に
触れてみてしみじみ思ったりしました。救われる
側からすれば「こんな変態性癖持ちに勇者と名乗
られて救われるなんて嫌だ!」ってとこでしょう
けど。でも絶対表に本性出さないんだろうなあ、
と言う徹底ぶりも見せ付けられてしまいました。
 この辺りの内容は、ケヤルの復讐劇の第一幕が
無事に済んだ後だったので、大分気持ちがざわつ
きながらも割と落ち着いて眺めていられました。
 とりあえず鬱憤を溜めずにフレアを堕とすまで
を見られたので良かったです。何となく情が移り
そうな気もしますけど、どうなるでしょうね。

戦闘員、派遣します!2

[著者:暁なつめ/イラスト:カカオ・ランタン/角川スニーカー文庫]★★

戦闘員、派遣します!2 (角川スニーカー文庫)

戦闘員、派遣します!2 (角川スニーカー文庫)

 自国の深刻な水不足を解消する為なら「おちん
ち〇祭」くらい公衆の面前で言えるだろう? だ
って第一王女様なんだから。一瞬の恥より国民の
生活苦の方が重いに決まってんだから、さあ思い
切って言っちまえよ! ……って感じのティリス
への六号の煽りと追い込みを期待してたんですが、
あくまで断固拒否の完全無視でしたよこの人。
 よくよく考えてみれば、今回の難事ってティリ
スが拒否したのが発端だったのでは? 隣国と拗
れたり魔族との連合による侵攻を受けたり。まあ
大体六号の余計な手出しが引き金になってるのは
確かですけど、国王も王女も自分優先で大丈夫な
んだろうかこの国……とか思ってしまいます。

既刊感想: