SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 8.遺された希望

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]★★

 レイの転職がメインかと思ってたらそうでもなく
て、こちらは割とあっさり目的達成。本題は王国と
皇国の中間地点に発生した遺跡に眠る過去の遺物。
 この件について。どの立場の人物がどんな意図で
動いているのか、その辺りの詳細を伏せるような描
写が目立ったせいか、ちょっと動きが把握し辛くて
途中もやもやしてしまいました。もっとも、終盤で
特に皇国側の動きや思惑は一気に見えるようになっ
たので、そのもやもやも大分解消されましたが。
 色々開示されて、主に皇国の圧倒的戦力が明るみ
に出た感じで、「あ、これカルチェラタン領終わっ
た」ってなりました。目覚めの近い遺物と、まだ見
ぬレイの難儀な能力がどう戦況に変化を及ぼすか。

既刊感想:

魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。2

[著者:かじいたかし/イラスト:ふーみ/HJ文庫]★★

 自称、イザヤの『昔の女』登場。後から当時の真
相を種明かしされたら「どうせそんな事だろうとは
思ってた」ってなりましたけどね。過去の事は聞い
た限りの事しか分かってませんが、少なくとも常に
単独行動で他人に興味ゼロだったイザヤが「色恋沙
汰? ないない」ってなるのが当然でしょうし。
 そんなわけで、勘違いを突き付けられても後には
引けないロゼと、単に魔力供給をして貰っている以
上の関係になりつつあるヨメと、あとは首突っ込ん
だが故に巻き込まれたマリーとのイザヤ争奪戦。前
と比較して魔力供給シーンのいちゃいちゃがちと少
な目かつ弱いかなと思ったりもしましたが、結局最
後でしっかり不足分を取り戻してくれていました。

既刊感想:

チアーズ!3

[著者:赤松中学/イラスト:こぶいちMF文庫J]★★★

チアーズ!3 (MF文庫J)

チアーズ!3 (MF文庫J)

 チアリーディング部の女の子達が主役の物語なが
ら、何処か少年漫画的な熱いノリを彷彿とさせる展
開。まだチア競技参加の為に必要なメンバー7人が
揃っていないので、そもそもチア競技としてスター
トラインにも立てていない状況ですが、その前段階
の仲間集めが紆余曲折あって面白いんですよね。
 最後の7人目、ライバルチームからの転入、他の
メンバー達と噛み合わず、チーム成立が難航。ここ
から皆が“チームの一員になって欲しい”と言う情
熱をぶつけて、7人目の阿実の頑なな心に変化を生
じさせて行く……この流れが実に良いもので、特に
リエの嫌らしい提案を突っ撥ねて自分の気持ちに従
ってチアーズを選択した阿実の姿が印象的でした。

既刊感想:

ようこそ実力至上主義の教室へ9

[著者:衣笠彰梧/イラスト:トモセシュンサクMF文庫J]★★

 Aクラス坂柳が仕掛けるBクラス一ノ瀬潰し、そ
こにさりげなくバレンタインネタを込める。清隆は
基本静観しつつも暗躍タイプの顔。特別なイベント
が無い分比較的平穏に見えましたが、おそらく最後
の特別試験が控える1学年度クライマックスへの準
備段階、嵐の前の静けさ、と言った印象でした。
 坂柳が直接提案を持ち掛けて来たので、多分清隆
対坂柳の構図で展開して行くのではないかと。清隆
は負けて本性バラされても「どうと言う事はない」
と言い放ち、坂柳は自信を持って「負けたら退学」
を賭ける。まだ内容すら分からない1年生最後の特
別試験、その中での二人の勝敗の行方、そして勝敗
の先に果たしてどんな結末が待ち構えているか。

既刊感想:4.57.5

ようこそ実力至上主義の教室へ8

[著者:衣笠彰梧/イラスト:トモセシュンサクMF文庫J]★★

 良くも悪くも高円寺の自由人気質が際立っていま
した。これまでと同様に誰であっても制御不能な変
人ぶりを発揮して周囲を混乱の渦に巻き込んでいま
したが、高円寺から自発的に思惑が語られたのは初
めてだったのではないでしょうか。そこまで引き出
した南雲の底知れなさを感じつつ、それでも全く動
じない高円寺の凄味も見せ付けられられました。
 今回から3学期突入で、特別試験の内容から上級
生との絡みが頻繁に見られるような内容でした。清
隆は特に際立った動きは見せず、暗躍みたいな事も
せずに、南雲の真意を看破しても静観の態勢。3年
生とはあまり接点なくお別れかなと思いきや、卒業
前にもうひと波乱起こりそうな予感もありますね。

既刊感想:4.57.5