SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?2 ~たまらなく愛おしく、とにかく尊い~

[著者:望公太/イラスト:ななせめるちGA文庫]★★

 ぎこちないながらも着実に関係を深めて行く年の
差恋愛。しかし、この“12歳差”の距離が桃田と
姫に重く圧し掛かる。特に年上である姫の方が、こ
の恋愛に身を委ね続けて良いのだろうか? と苦悩
している様子。ただいちゃいちゃしているのを見せ
付けられている内は、あんまり深く考え込むと言う
事も無いんですけど。二人だけの空間からふと周囲
の事を意識し出すと、途端に年の差恋愛による足枷
や負い目などが浮かび上がって来てしまいますね。
 今の所は年の差を隠したり誤魔化したりで難を逃
れていますが、どうしても公には出来ない危うさと、
大っぴらにバレた時に致命傷を負ってしまわないだ
ろうか、と言う不安や心配が付き纏ってしまう。

既刊感想:

ゴブリンスレイヤー8

[著者:蝸牛くも/イラスト:神奈月昇GA文庫]★★★

 「オルクボルグってさあ、以前とちょっと変わっ
たわよね」「……そうか?」「そうよ」「……そう
か」……とか何とか、エルフ娘との会話が聞こえて
来そうなくらい、ゴブスレさんって随分変わったよ
なあと思わされる様子が度々見られました今回。
 ゴブリン討伐以外の依頼を不本意ながらも受け、
それを気心知れた皆でこなした事が「楽しかった」
と言ったり、頑なにゴブリン以外は潰す必要なしと
興味を示さなかったのが、殲滅すべきか否かで葛藤
する姿を見せたり。本質は変わらず、ゴブリンへの
執着と容赦なく剣を振るう腕に迷いも無く。ただ、
ゴブリン一辺倒だったこれまでの生き方に、僅かな
がらの変化が見られた事は妙に嬉しく思いました。

既刊感想:
     外伝:

高2にタイムリープした俺が、当時好きだった先生に告った結果3

[著者:ケンノジ/イラスト:やすゆき/GA文庫]★★

 読んでいるこっちが何故か倦怠期の雰囲気を感じ
させられているような。相変わらず誠治と春香は年
齢差や教師と生徒の関係のハードルをあっさり飛び
越えて、所構わずいちゃいちゃちゅっちゅとお盛ん
だと言うのに。あの手この手で工夫してシチュエー
ションを作ってくれているので、やってる事一緒で
も飽きたって感じではないんですが……安定し過ぎ
てるので「刺激が欲しい!」って気持ちなのかも。
 今回で言うなら、春香の両親との対面なんかは結
構な刺激だったのかな? あんまり波乱はありませ
んでしたけど、代わりに誠治の春香に対する想いの
強さを充分に見せ付けられた感じです。これだと二
人の間でそう簡単に波風立ちそうもありませんね。

既刊感想:

罪の巨人と銀時計のアイア

[著者:石川湊/イラスト:柏井/電撃文庫]★★

罪の巨人と銀時計のアイア (電撃文庫)

罪の巨人と銀時計のアイア (電撃文庫)

 後半でのアイアとガルムの会話の辺りから、「こ
れ、自分ちゃんと理解出来ているのかな?」とか物
凄い不安感に押し潰されそうになって、同時に「最
後まで辿った時点で全ての謎が解かれてスッキリ出
来るのかな?」と疑問の声が上がったりでした。
 あえて曖昧な物言いをしているらしき所で、もう
ちょいハッキリ明言して欲しい、と思った所は幾つ
かありました。アイアの能力がどう言った形で現在
のレッドや周囲に影響を及ぼしたか、アイアとガル
ムの過去と関係性(これは終盤で大体把握出来まし
たが)、あとはラストの状況など。多分、おそらく、
の域を出ないのが少々もどかしいですが、二度目に
救いがあった事でホッと胸を撫で下ろしました。

滅び時だと彼女は告げた #異能犯罪捜査<零局>

[著者:久我悠真/イラスト:miten/電撃文庫]★

滅び時だと彼女は告げた #異能犯罪捜査〈零局〉 (電撃文庫)

滅び時だと彼女は告げた #異能犯罪捜査〈零局〉 (電撃文庫)

 ミステリ仕立てにこだわり過ぎていたせいなのか
どうか、終盤へ向かうに連れて話の展開がごちゃご
ちゃ複雑に絡み合い過ぎて、結果気付けば何が何だ
か良く分からなかった、となってしまいました。
 異能力の発想にも、毒を以て毒を制す的な異能を
異能で駆逐する展開にも、面白さは充分に盛り込ま
れていたと思いましたが。何にせよ中途で終わって
しまっているのはともかく、夜耶の妹の事と結嘉と
の関連性が何らハッキリしないままだったのは大い
に不満が残る点でした。ここが全く把握出来ていな
いから、夜耶がやっている事の意味がサッパリ分か
らない。一連の行動が妹を取り戻す為の何処に繋が
っているのか……続きで見えて来るのでしょうか。