【魔法999】の勇者候補生、魔王契約で【魅力999】を手に入れる

[著者:西都徹也/イラスト:みれい/角川スニーカー文庫]★★

 第23回[秋]スニーカー大賞『特別賞』受賞作。

 少な過ぎるのは困りものだが、逆に多過ぎるのも
問題で、何事も程々が丁度良くて一番良いよね……
なんて事をしみじみ感じさせられるような物語、だ
ったと思います。ちなみに個別能力値のお話で、極
小でも創意工夫で上手い事立ち回れるとか、極大で
も持て余さず存分に使いこなせるとか、そんなだっ
たら能力値に振り回される事も無いでしょうけど。
 その点ユウトは見事に翻弄されてますよね。まあ
1か999か、なんて選択肢も極端過ぎるので仕方
の無い所かも知れませんが。ただ、ユウトがどちら
の能力値を用いていたとしても、肝心な場面では使
い方を誤らず的確に振るう事が出来ていたので、結
果的に今回の難局を乗り切れたのではないかなと。

キミのこと黒歴史もまとめて……ぜーんぶ大好きだよ

[著者:音無白野/イラスト:魚デニム/角川スニーカー文庫]★★

 某匿名掲示板、SNS(作中では主にTwitterと
かLINEとか)、YouTubeに動画投稿、など。この辺
に普段から日常的に触れていたり活用していたり、
その頻度が高ければ高い程、どっぷり浸かっていれ
ばいる程、物凄くざっくりと突き刺さるような。良
くも悪くも感情移入してしまいそうな物語でした。
 個人的には、先名が活用しているどれを取っても
大して触れていない為、先の印象も「そんな気がす
る」程度のもので、あまり同調出来ず生暖かい目で
見守るような感じでしたけど。ただ、現在の現実の
ネット事情と比較しても“何処かで有り得そう”な
出来事の様で、先名や館崎のネット上の性癖や関係
なんかは、妙に生々しく映ったりもしていました。

日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神2

[著者:相野仁/イラスト:桑島黎音/角川スニーカー文庫]★★

 『八神輝』の内、たった一人だけでも皇帝の命で
動くような事態と言うのは、それだけで相当な大事
だと、今回のバルトロメウスの一連の動向を見て存
分に思い知らされました。他とは余りに格が違い過
ぎるので、彼等が事に当たった時点で既に任務成功
は確定されたようなもので、あとはどんな過程を経
て任務を遂行するのか、そしてどのようにして成功
を収めるのか、が関心事の全てとなるわけですね。
 帝国における最大権力は、当然ながら皇帝が有し
ているのですが、その皇帝自らが悩みや問題を投げ
る相手となると、その『八神輝』こそ潜在的な強権
の所有者と言えるのかも知れません。絶対忠誠に揺
るぎは無い為、反逆は起こり得ないでしょうけど。

既刊感想:

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。3

[著者:しめさば/イラスト:ぶーた/角川スニーカー文庫]★★

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。3 (角川スニーカー文庫)

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。3 (角川スニーカー文庫)

 吉田自身の「どうしたいのか?」が、話を重ねて
行く度に、どんどんグラグラと揺れ動きが酷く不安
定になっているような気がする。なので、見守って
いるこっちも、吉田と沙優の関係性が「どうなれば
いいんだろう?」って気持ちになってしまい、こう
あって欲しいって明確な希望が抱けないでいます。
 既に恋愛感情の一歩手前で、お互いに信頼し合い
必要とし合っているのを見ていると、吉田の周囲の
恋愛感情絡みの面倒な雑音を一切遮断して、沙優と
このままの状況が続いて欲しい、と思ってしまう。
 でも、元々の始まりが常識からはみ出した所から
だったので、そうは行かないのも承知している。何
かもどかしい気持ちばかりが募ってしまいますね。

既刊感想:

好感度120%の北条さんは俺のためなら何でもしてくれるんだよな……

[著者:本田セカイ/イラスト:もきゅ/角川スニーカー文庫]★

 第3回カクヨムWeb小説コンテスト「ラブコメ部門」『特別賞』受賞作。

 雅継に「他人の好感度が%で可視化出来る」事と
「他人の抱いている感情が可視化出来る」事、この
能力が何故備わっているのか? については説明無
くとも“そういうもの”と済ませる事も出来ます。
 しかし、朱雀が雅継に対して何故初対面の段階か
ら「好感度120%」だったのか? に関しては、
理由付けくらいは欲しかったです。なんか、これ裏
があるだろうって勘繰らされて、一向に開示されな
いまま焦らされて、それで結局「別段何もありませ
んでした」ではちょっと、ね。勝手に期待しておい
て何ですけど、引っ張られた分だけガッカリしたと
言うか、何かあって欲しかったんですよね。イマイ
チ乗り切れなかったのはその辺が原因なのかも。