SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

おしかけ勇者嫁2 勇者は放逐されたおっさんを追いかけ、スローライフを応援する

[著者:日富美信吾/イラスト:白井鋭利/BKブックス]★★

おしかけ勇者嫁(2)勇者は放逐されたおっさんを追いかけ、スローライフを応援する (BKブックス)

おしかけ勇者嫁(2)勇者は放逐されたおっさんを追いかけ、スローライフを応援する (BKブックス)

 この中で誰が一番可愛いかって、美少女勇者に好
意を寄せられる度に焦って照れる自分自身に身悶え
して自爆する、薄毛を気にするおっさんなのではな
いでしょうか。イズヴェルにヘタレだの「おっさん
が照れて悶える仕草、誰得?」だの散々言われまく
ってますが、そこはもう当然“アルアクル得”なん
だと思いますよ。ファクルへの好意100%なアル
アクル視点だから、可愛く映るのかも知れません。
 それにしても最後のファクルのこれ、思わず「ま
だだったんかい!」ってツッコミ入れたくなったじ
ゃないですか。雰囲気的には「もう付き合ってるで
しょ」なんですけど、面と向かって言葉で伝えるの
は大事ですからね。格好良い告白を見せて欲しい。

既刊感想:

スレイヤーズ16 アテッサの邂逅

[著者:神坂一/イラスト:あらいずみるい富士見ファンタジア文庫]★★

 本編のノリとかテンポは長編初期の頃に近かった
のかなあ、それよりもすぺしゃる(短編集)の雰囲
気の方がより近い気もしたかなあ。何にしても物語
の足跡は色々忘れてしまっているので、あれもこれ
も「何となくそうだったような?」的な手応えでし
か語れないわけですけど。長編第二部は割とシリア
スかつダーク寄りな展開だったらしいので、初期の
頃の懐かしさをより感じられたのかも知れません。
 まあ思い出補正はあるかと思います。主要キャラ
クター達は絶対忘れないので、この面子が久々に勢
揃いした話を読めるだけでもう嬉しさが込み上げて
しまいますよね。特に大事無くても、現在中途のリ
ナの帰郷エピソードでも続きで見てみたいかな。

既刊感想:『スレイヤーズ』感想一覧

86―エイティシックス―Ep.5 ―死よ、驕るなかれ―

[著者:安里アサト/イラスト:しらび/電撃文庫]★★

 人類が万全を期して作戦遂行しようとしても、レ
ギオン軍勢がことごとくあっさりと想像の上を超え
てしまう。思えば共和国でエイティシックスだった
頃からこんな具合で、後手に回り窮地に陥りながら
ぎりぎりで何とか最後の一線は超えさせない結末。
 レギオンの驚異的なペースの進化に全く追い付け
ていないので、こちら側の技術革新があまり見込め
ない以上は、何度挑んでも繰り返し同じような劣勢
状態になるんじゃないかなあ。かと言って何もしな
ければ物量で容易く蹂躙されてしまうだろうし。何
だか今回は特に行き詰まりを感じてしまいました。
 状況打破には開発者ゼレーネの声、『無慈悲な女
王』なる謎に満ちた存在が鍵となるのでしょうか。

既刊感想:

86―エイティシックス―Ep.4 ―アンダー・プレッシャー―

[著者:安里アサト/イラスト:しらび/電撃文庫]★★

 劇的だったシンとレーナの再会も、その後の二人
の時間は案外淡々と過ぎていたと言うか。特にシン
の性格上浮かれて舞い上がるとか有り得ないんで、
らしいと言えば二人らしい雰囲気なのかなあ。あま
りイチャイチャしてるって感じではなかったかも。
 加えて対レギオン戦線真っ只中な状況に変わりは
なく、どうしてもその脅威に対抗する方がメインイ
ベントになる為、日常パートが少なめなのも仕方の
無い所か。もっとイチャイチャと見せ付けて欲しい
んですけど。今はこれでも充分過ぎる程なのかな。
 ただ、同じ方を向いて同調しているようで、今回
のラストシーンから実際には未だ深い溝や隔たりが
横たわっているのか、と。心配な部分もあります。

既刊感想:

86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―<下>

[著者:安里アサト/イラスト:しらび/電撃文庫]★★

 自分達を死地に送り出す側に、「我々の為に死ん
でくれ」と言われるのと「君達自身の為に生きて帰
って来てくれ」と言われるの。同じ生存率ゼロに限
りなく近い作戦だったとして、前者の共和国と後者
の連邦とで、これだけ大きな差があったわけです。
 発言を受け入れる側のシン達にとっては、どの道
死にに行く覚悟は変わらない為、共和国との扱いの
天地の差にも、響き方は鈍かったみたいですけど。
 それでも、前巻も同じような手応えだったと思う
のですが、“いつ死んでもおかしくない”が“生き
延びられる気がする”に変化してくれただけで、大
分冷静に見ていられたんですね。窮地に立たされて
も、何となく大丈夫って雰囲気が感じられました。

既刊感想: