SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

謎のおっさんオンライン2 世界で一番やべぇヤツ

[著者:焼月豕/イラスト:Aji/レジェンドノベルス]★★★

謎のおっさんオンライン 2 世界で一番やべぇヤツ (レジェンドノベルス)

謎のおっさんオンライン 2 世界で一番やべぇヤツ (レジェンドノベルス)

 なんか開発者である煌夜の私情が大分ゲーム内の
難度に影響を及ぼしているような。おっさんへの対
抗心、こいつをぎゃふんと言わせてやりたいって気
持ちが溢れまくりで、おっさん基準で難易度設定が
成されているので妙にハードルが高い。それでもお
っさんに絡んだ連中はもれなくレベルアップしてる
ので、そんな難度をものともしない辺りに凄さが感
じられる変人揃い。対抗心燃やしてる連中も、結局
おっさんに感化されてんなあって雰囲気でした。
 何でもありの自由度の高いMMORPG、その舞
台を最大限に利用して好きな事やりたい事を何でも
こなして遊び続けている。おっさんを始めとして皆
がそう。楽しさが凄く伝わって来るんですよね。

既刊感想:

異世界再建計画2 転生勇者の後始末

[著者:南野雪花/イラスト:Kotakan/レジェンドノベルス]★★

異世界再建計画 2 転生勇者の後始末 (レジェンドノベルス)

異世界再建計画 2 転生勇者の後始末 (レジェンドノベルス)

 一部地域じゃなくて、割と世界全域な規模の広が
りなのかどうか。その辺りの事情を考えると、脚気
の広がりを阻止して根絶やしにする事、そしてそれ
を食事改善によって実現させようとしている事、エ
イジの目指すべき所の終着点が見通せない意味でも
難儀な道程になりそうだなあと思わされました。
 戦いに関してはまるっきり役立たずながら、エイ
ジにはエイジなりの戦い方で気張っている。ただ、
その見せ場が活用出来ない場面が続いてしまうと、
存在意義が危ぶまれて大丈夫かと心配になったりす
るのですが。魔王軍の移動計画に乗っかった事で果
たしてどんな流れを呼び込むか。交渉術や食事改善
の知識で更なるエイジの手腕に期待したい所です。

既刊感想:

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

[著者:斜線堂有紀/イラスト:くっか/メディアワークス文庫]★★

 弥子の行く末と、江都の辿り着く先と、三億円の
行方と、大体この三つの結末をあれこれ想像巡らせ
ながら読んでいました。淀んだ空気、退廃した雰囲
気が全般的に流れていたので、あまり良い結末と言
うのが浮かび難くて。常軌を逸した母親の存在とか
途中の逃亡劇みたいなものを眺めながら、ある程度
精神的苦痛を伴う展開になるのも覚悟してました。
 結末に関しては、興味を抱いていたどれも良い意
味で予想とは違っていました。特に三億円相続は、
弥子が未来を見越してそうしてくれたのか、江都が
暴動に殺されないギリギリの線での結末だったと思
います。端数の意味は分からず仕舞いでしたが、江
都が言う様に解けない謎なのかも知れませんね。

ロードス島戦記 誓約の宝冠1

[著者:水野良/イラスト:左/角川スニーカー文庫]★★

 絶対相互不可侵の縛りを受け入れた結果、100
年保たれた平和は果たして長かったのか、それとも
短かったのか。パーンやスパークが慎重な意見を示
したのが正しかったのかも知れないし、受け入れな
ければもっと早期に平和の破綻が起こっていたのか
も知れないし。どちらにしても永続的な平和と言う
のは、国同士が隣り合っている時点で、どれだけ完
璧に見える方法であっても絶対に望めないものなの
かなあ、と。そんな風に思わされた始まりでした。
 主人公のライル。確かに『ロードスの騎士』を名
乗るのは自由だけれど、正直まだ頼りない。それで
も大胆な行動力の高さと思い切りの良さは、期待せ
ずにはいられない妙な魅力を感じさせてくれる。

マスター、ご注文は殲滅魔法だそうです。 カフェのオーナー、実は王国最高の魔導師

[著者:木村心一/イラスト:イセ川ヤスタカ/角川スニーカー文庫]★★

 自分の名前を名乗って、その後に「探偵さ」と言
いたいが為に探偵家業に手を出したんじゃないだろ
うな? 格好や仕草は一丁前に気取ってるけど、実
はカイトーってそんなに聡明でも頭脳明晰でもなく
て、もし適正あるなら最初のテバウ宅訪問時の違和
感に気付いた時点で見逃さなかっただろうとか、迂
闊に騎士団に逮捕される事も無かっただろうとか。
 探偵家業が成り立っているのは天才的な魔導師能
力と圧倒的魔力量があってこそだろうなあと。まあ
力押しでも何でもそれで事件解決出来てればいいの
かな? 卓越した頭脳プレイの謎解きとかも見てみ
たいですが、カイトーにはどうも難易度が高そうだ
し、それを求めるのは何となく違う気もしました。