SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ハル遠カラジ2

[著者:遍柳一/イラスト:白味噌ガガガ文庫]★★

ハル遠カラジ (2) (ガガガ文庫)

ハル遠カラジ (2) (ガガガ文庫)

 人類消失の謎の一端が垣間見れた、かも。漠然と
していて失われた記憶の断片をなぞって行く作業だ
ったから。とは言え明確に真実を掴んだ所で、現状
の罹患しているテスタ、ハルやイリナの極少数で何
が出来るわけでも変えて行けるわけでもなく。仲間
と言うか従者的なアニラが今回新たに加わりました
が、危機的状況に陥ってからの急場しのぎ感は変わ
らず。相変わらず安定しないテスタの状態も含め綱
渡りの連続で終始冷や冷やさせられてしまいます。
 人工知能に感情が備わってるかは定かではありま
せんが、テスタはそれと知らされなければ人間と変
わらないようにも見える。旧友との件は特に感情の
揺れ動きが強く感じられたような気もしました。

既刊感想:

クズと天使の二周目生活5

[著者:天津向/イラスト:うかみ/ガガガ文庫]★★

クズと天使の二周目生活 (5) (ガガガ文庫)

クズと天使の二周目生活 (5) (ガガガ文庫)

 喜びや嬉しさに包まれた温かい雰囲気だった前巻
から一転、ストレス過多で桃也の胃に穴が開くんじ
ゃないかと心配になるくらい精神的に追い込まれる
状況の連続で参りました。エリィの懸念や唐突な不
在、新人の由佳のトラブルメーカーぶりとかは割と
些細な問題で、さらに上を行く厄介極まりない存在
がありましたからね。溜まりまくったこの憤りは必
ず逆転劇で発散して貰えるだろう、と願って進めな
ければ途中で折れそうになる程ヤバかったです。
 とりあえず一周目の桃也がガチクズであった事、
たらればノートを残してくれていた事に初めて感謝
ですね。このまま順調に行けたらいいのですが、エ
リィ不在だった件が新たな問題になりそうだなあ。

既刊感想:

クズと天使の二周目生活4

[著者:天津向/イラスト:うかみ/ガガガ文庫]★★★

クズと天使の二周目生活 (4) (ガガガ文庫)

クズと天使の二周目生活 (4) (ガガガ文庫)

 サプライズの嵐が吹き荒れる。一周目の未来を知
っているが故に桃也は余計に見事に仕掛けにハマっ
てしまった、と。まあ手が込み過ぎなのも如何なも
のかと思いましたけどね。あと「柊さん、怖い!」
と叫びたくなった。それでも結果的に幸せに笑い合
えたなら、ナイスサプライズだったのでしょう。こ
れも一周目の惨めさを味わっているからこそ、余計
に嬉しさを噛み締める事が出来たんだと思います。
 桃也にとっては未知なる2周目に突入。一つの懸
念は解決しましたが、その事に関してエリィが疑念
を抱いているのがどうにも気になる。新キャラも既
に波乱を呼び起こしそうな雰囲気満々だし、気持ち
よく進みながら不安も広がったような感じでした。

既刊感想:

むしめづる姫宮さん

[著者:手代木正太郎/イラスト:Nagu/ガガガ文庫]★★

 ある特定の『虫の魂』を体内に呼び込んでしまう条件。自分と似たような特性を持っているか、自分が最も欲している能力を持っているか。そのいずれかによって引き寄せてしまう。あとはより若い方が取り込まれ易いだとか。羽汰の場合、以前は憑かれた虫の魂と似た特性を持っていたけれど、卑屈になり過ぎたせいで手放してしまったので無意識の内に再び欲してしまった、って感じだったでしょうか。

 羽汰の事を雪絵が「小さいんだか大きいんだか分からん」と言っていたのも、汐音が「無関心なようで周りをよく見ている」と言っていたのも、多分本来の彼の本質なのかなと。まだ体内に宿したままなので、今後どう扱って行くのか気になる所です。

月とライカと吸血姫5

[著者:牧野圭祐/イラスト:かれい/ガガガ文庫]★★★

月とライカと吸血姫 (5) (ガガガ文庫 ま 5-8)

月とライカと吸血姫 (5) (ガガガ文庫 ま 5-8)

 共和国と連合王国。初期から続く政治絡みの技術
競争から、双方の視点からロケット開発や宇宙に馳
せる熱き思いの数々を目の当たりにして来て、ずっ
とずっと実現を願い続けているのが『和解と技術交
換を経ての共同開発』。しかし物語が進めば進む程
に、実現不可能を激しく突き付けられてしまう感じ
で、特に今回は共和国側で実権を握る上層部のやり
口を眺めて、かつてない絶望感に苛まれました。
 そんな状況から、微かな、本当に微かながらレフ
やイリナが掴んだ光明。それは自分達が望んだ最良
の進展ではなく、結局は権力に従うしかない、手綱
を握られたものではあるのですが、それでもようや
く辿り着けそうな所まで来る事が出来なのかなと。

既刊感想: