SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

十三歳の誕生日、皇后になりました。2

[著者:石田リンネ/イラスト:Izumi/ビーズログ文庫]★★

“あんた”呼ばわり
 なかなか面と向かって「莉杏」と呼んでくれない皇帝陛下。でも莉杏本人が居ない所だと普通に名前呼んでいる。終盤の“かくれんぼ”で探してる時なんか必死で「莉杏!」って叫んでたし。むしろ莉杏だけに向ける“あんた”呼ばわりの方が、特別な存在と認識してる証なのかも?

聡明過ぎるが故に
 血生臭い政治の表舞台から離して平穏に暮らして貰いたい気持ちと、問題を出して試す度に想像以上の成果で応えてみせる才覚を更に引き出して見てみたい気持ちのせめぎ合い。暁月の莉杏に対する扱い方ですが、どちらにしても莉杏の方がこうと決めたら断固として譲らないかも知れませんね。

皇帝の長き不在
 大分慌ただしく危険な橋を渡ったようでしたが、これで改革へ踏み出す準備は整ったと見ていいのかな。堯佑はあまり有能そうには見えないのですが、これまで城内の波乱が主だったので、外の敵対者達との本気の衝突となると、果たしてどんな風に描かれて行くのか。

既刊感想:

十三歳の誕生日、皇后になりました。

[著者:石田リンネ/イラスト:Izumi/ビーズログ文庫]★★

貴方、誰ですか?
 序盤で暁月の動向を眺めつつ。なんか十三歳の少女が初っ端から理解を超える状況に翻弄されていて。でも十三歳だから怒濤の展開に流されるまま、何にも抵抗できないよな、仕方ないよな……と無事を祈るように見守っていました。

莉杏の資質
 いくら十三歳で成人とは言え、序盤のこの状況で暁月と言い合って納得させるって、並大抵の胆力ではないなと。話が進む度に莉杏の聡明さに驚かされていましたが、最初から暁月と寄り添い歩んで行ける“強さ”の片鱗は見えていたのかな。

赤奏国の改革
 着手する以前に問題が次々溢れ出てしまう。暁月の支えになっていたのは、勿論莉杏が傍に居てくれる事。試す気持ちで『問題』を出していた筈が、気付けば莉杏の行動に驚かされてばかりな様子でしたね。

奔放でぶっきらぼう
 でも、見えない所で最大限の優しさと愛情を注ぐ。それを見せない。見せたくない。見せたがらない。な雰囲気。暁月の事です。莉杏が好意を全身で振り撒いている方が目に付きますが、目立たせないだけで、むしろ暁月の方がべた惚れなんじゃないかなあ? 

面白かったラノベ【月間】 2019年11月

[異世界誕生 2007]

[著者:伊藤ヒロ/イラスト:やすも/講談社ラノベ文庫]
 『異世界誕生 2006』の続編。異世界なんて無い。ただの創造、妄想だ。現実世界の人達がそこに翻弄され傷付きながら向き合って行く。前巻同様ざくざく心に突き刺さる。2006と共に読んでくれ!
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[ピンク色のリトルマーメイド!1]

[著者:鼈甲飴雨/イラスト:イチリ/HJ文庫]
 第13回HJ文庫大賞『銀賞』受賞作。見た目はJSロリっ娘水泳、中身は選手として真剣に取り組むガチ競泳。競泳バカな主人公と無邪気なロリっ娘達のやり取りが面白く、ロリの甘さと競泳に対する真剣さの落差にヤラました。
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[<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 11.栄光の選別者]

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]
 過去編。レイはお留守番。史上最悪【SUBM】と超級達との死闘。管理AI達の暗躍が割とよく見えるようにもなって来た気もしますが、存在自体に謎は多く、ゲームの本質も未だに分からない事が多い事を実感したような。
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[戦うパン屋と機械じかけの看板娘10]

[著者:SOW/イラスト:ザザ/HJ文庫]
 シリーズ完結。ただただ「ルートに平穏にパンを焼く環境を与えて欲しい」と願い続けて来たけれど、それは最後に届いたのかな。報われたのかな。二人の姿は見えずとも、幸せに過ごした様子はしっかりと受け取る事が出来ました。
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[やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14]

[著者:渡航/イラスト:ぽんかん(8)/小学館 ガガガ文庫]
 2019年11月、憑りつかれたように読みまくった。俺ガイルよ、ありがとう! ダラダラ引き摺って続くのはあんまり好みじゃないですが、この終わり方だと、どうしても比企谷八幡・三年生編を想像してしまって、勝手にワクワクして困ってしまう。
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[何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが?4]

[著者:出井愛/イラスト:西沢5ミリ/MF文庫J]
 委員長回。委員長、名前はまだない。委員長、ただのモブだと思ってたらトントン拍子にヒロイン候補にのし上がって来て最後の大胆行為に悶絶。朝倉さんはタイミングが悪過ぎて不憫としか言い様が無い。また変な風に壊れて暴走しないか心配だ。
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[アキトはカードを引くようです2]

[著者:川田両悟/イラスト:よう太/MF文庫J]
 人間と同じ感情を持った擬人化カード、使い捨てと扱うか? 友人・仲間・パートナーと扱うか? この辺の描き方が秀逸で、勝利がどちらに転ぶか最後の最後まで分からなかったカードバトルも面白かった。続きは未定、売れ行き次第。頼む、売れろー! そして続いてくれー!
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[友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 2]

[著者:世界一/イラスト:トマリ/オーバーラップ文庫]
 幼少期を過ごした異性の幼馴染との思い出は最高だぜ! 当時性別を隠して一緒に遊んで、そして後悔する別れを高校までずっとずっと引き摺って悶々としてる幼馴染、その独白シーンとか、最高かよ! 押され気味な年下ニセモノ彼女、巻き返しに期待しているぞ。
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生まれ変わった《剣聖》は楽をしたい1 ~最強の《剣聖姫》の護衛になりました~

[著者:笹塔五郎/イラスト:あれっくす/オーバーラップ文庫]★★

転生前の《剣聖》ラウル・イザルフ
 主人公アルタ・シュヴァイツの前世について、実際の所あんまり詳細って語られてませんでしたよね。アルタ自身が前世を然程気にしてないからなのか。よくあるものとして“どんな最期を遂げたのか”とか。この辺りの話はちょっと聞いてみたいかも。

十二歳の騎士は金を稼いでスローライフを送りたい
 前世の『最強』を引き継いだこの強さなら、生涯生活費なんてあっさり稼げそうな気もしますけど。ただ、アルタは俗世からいち早く離脱したいと考えていても、実力を知る周囲が簡単に逃がしてはくれないんじゃないだろうか?

途上の《剣聖姫》
 一般視点ではイリスってめちゃくちゃ強いんでしょうけど、師事するアルタが桁違いなので、それ程圧倒的な強さを感じる間も無かったでしょうかね。その分アリアと共に今後の成長が楽しみでもあります。

《剣客衆》とは何だったのか
 アルタとの戦いを見続けていると、ね。次期王位に最も近いイリスはこれからも狙われ続けるでしょうし、そうなればアルタでも一筋縄では行かない相手と遭遇するかも知れない。むしろそんな展開の方がより盛り上がってくれそうですよね。

仕事で疲れた社畜の俺に美少女が絡んでくるのだが……1

[著者:疎陀陽/イラスト:黒川いづみ/オーバーラップ文庫]★

一言呟き“余命一年”
 めちゃくちゃ理不尽じゃないですか? なんかお前の一言が気に食わないから、って理由で死神の八つ当たりに一方的に巻き込まれたっぽいですし。救いの道が示されても元々強制的に、だったのでどうにも納得行かなくて。これじゃあ誠が不憫過ぎる。

貴女、誰ですか?
 死神少女ヒナ、序盤と中盤以降でツンとデレの落差が激し過ぎる。最初の頃なんて、全く誠の話を聞き入れず恫喝に近い態度でしたから。途中から明らかに好意を抱くようになったので、もしかしてヒナが恋人になってしまう可能性もあるんでしょうかね。

前半と後半
 読んでいて「同じ物語なのか?」と首を傾げてしまう程、内容や雰囲気が一変してしまって戸惑いました。それまで死神少女といちゃいちゃ絡んで進めて来た、「余命一年、恋人作って子供作って死を回避」な要素や雰囲気は何処へ行ってしまった?  

お涙頂戴
 全てが彼女自身の強い意思で進められた展開だったので、色々と思う事もありましたが、納得して受け入れる気にはなれました。関連して語られていた、仕事の話や働き方の議論についても面白くはありましたが、結局「それが読みたいんじゃないんだよなあ」って感じでした。