SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

七代勇者は謝れない

[著者:串木野たんぼ/イラスト:かれい/GA文庫]★★

勇者力
 そんなに頻繁に勇者の資格=紋章の所有者が、ころころと行ったり来たりしていいものなのか? 神々の掌の上で踊らされているようにしか見えないジオとイリアが不憫……ではないな。滑稽でオモシロイ。

とんだひねくれ者
 「ジオが好き過ぎて構われ続けたいから嫌われたい」だって?(多分そんな感じの筈) イリアが一体何を言っているのか、ちょっと理解出来ませんでしたよ。めちゃくちゃめんどくせえな! でも可愛いよ!

雰囲気激変
 勇者の資格を巡って、こじれたイチャイチャを見せ付けてくれて「コノヤロウ!」と思ってたのに、後半から一気にどシリアスに切り替わって戸惑ってしまった。最後は「え?」って感じで。これ、どう言う事なんだろう? あんまり良い状況じゃなさそうだけど……。

天才少女Aと告白するノベルゲーム

[著者:三田千恵/イラスト:しぐれうい/ファミ通文庫]★★

その名前を○○とは読めない
 水谷と交流していた『A』っておそらくは……と、途中でピンと気付けるような仕組み。確かに水谷が最初に思い描いていた相手では、何となくしっくり来なかった。ただ、『A』にならないので種明かしまで「あれっ?」ってなってましたけどね。

居心地の悪い空気感
 即座にその場から逃げ出したくなるような描き方が凄く巧い。村の住人達にしても、母親との距離感にしても、一時ぎくしゃくしたゲーム制作部での関係にしても。悪い方への手のひら返しって、恐ろしいね。

嫌なら嫌ってもいい
 水谷の過去を思うと仕方ない所ではあるんですが、妥協して波風立てない態度にもやもやさせられました。特に母親との件に関しては、ちゃんと答えを出して吹っ切ってくれて良かったです。スッキリしました。

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い2 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する

[著者:タンバ/イラスト:夕薙/角川スニーカー文庫]★★

双子皇子の入れ替わり
 アルは彼らしい器用なの立ち回り。レオは曲者兄貴の真似はちと厳しかったか。突発的な出来事だったので、入れ替わりをじっくり堪能とは行きませんでしたが、この辺りの双子ならではの連携はさすがの一言。

支えているつもりが支えられている
 その人間性に魅力を感じてより惹かれるのって、レオには悪いけれど実はアルの方だよね、と。帝位継承に相応しいのは誰か? 分かっていても、後押しに徹すると兄が断言したからにはそこに向かって突き進む。間違いなくそこはレオが一番理解している。

帝位継承争い、激化の予感
 終盤の描写から、第三皇子ゴードンと相対する事になるのかな? 一筋縄では行かない欲望に塗れた兄姉達を、どうやって引き摺り下ろすと言うのか。かなりの難題で、アルの手腕の見せ所。楽しみな所です。

既刊感想:

陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで

[著者:松尾からすけ/イラスト:riritto/角川スニーカー文庫]★★

ネタバレ回避不可?
 最初からタイトルで言っちゃってる! 物語中での不意打ちだったら「おおっ!?」ってなれたかも。惜しい。でも、主人公が特に葛藤も苦悩もせず、あっさり寝返ってしまうってのは面白い。 

魔王軍でお幸せに
 クロの強さと立ち回りを見ていて、あとアルカ(娘)とセリス(嫁候補)との親密度を感じで。もう安泰だろうって『完』の文字が頭に浮かんでたけど……人間側が放っておいてはくれないだろうなあ。

魔王軍幹部に認めさせる
 この辺りがクロの今後の目的となるか。それとも親友のレックスやマリアが絡んで人間族と面倒な事になるのか。いずれにせよ、能力隠して適当生活とは行かなさそうな感じ。そんな状況の方が、クロは活き活きしてるようにも見える。

つるぎのかなた3

[著者:渋谷瑞也/イラスト:伊藤宗一/電撃文庫]★★

女子団体戦
 何か……構成が複雑過ぎません? ちょっと組み立てが微妙で「うーん」って感じで。時間が前後に揺れ過ぎて、それを藤宮の女子5人分でやってるもんだから、今が何処なのか結構見失ってしまいました。

時系列の前後に酔う
 と言う事で。個人的には女子編を過去から時系列順に、団体戦の結末までを見せて欲しかった、って思ったわけですね。スポ根モノの熱量とキャラクターの個性は充分なので、あえて構成を複雑にする事も無いと思ったんだけどなあ……。

女子達の個性
 とは言え。これまでは圧倒的に男子優先だったので、桐桜側も含めた女子達のキャラクターの掘り下げは充分で、とても満足でした。知れば知る程もっと知りたくなるような感じで、彼女達の個々のエピソードを更に見たくなりました。

既刊感想: