- 作者: 酒井田寛太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/05/18
- メディア: 文庫
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第11回小学館ライトノベル大賞『優秀賞』受賞作。
第一印象で「あ、ちょっとこの人好きになれそう
にない」だった主人公・工藤啓介。本人にそんな意
識はないと思うんですけど……自己憐憫、とはちょ
っと違うかもしれませんが、訳あり素振りで「俺は
良い人でも頼れる存在でもない」とか浸ってる辺り
が妙に鼻に付くんですよねえ。抱え込んでいる過去
の経緯は結局語られないままだったので余計に。
真冬の言い分を借りて“もやもや”する、と言っ
た感じです。使い方や性質は真冬のそれとは全然違
いますけど。事件と向き合う度に啓介のその反応が
もろに出ちゃってるので、じゃあ中学生時代のあの
事件”ってなんなのさ? となってしまうわけです
ね。知ればもやもやも取れてくれるのでしょうか。