SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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スロウハイツの神様(上)

[著者:辻村深月/講談社 講談社ノベルス]★

 人気作家と、新進気鋭若手脚本家と、やり手の大手出版編集長と、映像・漫画・絵画の各分野でプロを目指すクリエーターの卵達と、『スロウハイツ』のひとつ屋根の下での共同生活。

 上下巻分冊の上巻は、ちょっとした切っ掛けで何か大きな事が起こりそうな気配が常に存在していながら、のらりくらりとかわされているような、なんかこうむずむずするな〜って印象。環を軸に、創作者同士の主張の衝突が激化でもするんだろうか? と思ったのだけど、互いに認め合えてるので衝突しても後腐れがなくサッパリしてるし。

 今の所スロウハイツ内で目立った異変は起こっていないけど、ラストで遂に波紋が投げ込まれた模様。環が手にして読んだ原稿は何? 本来誰宛のものなの? 一見純真無垢を装っていてその実計算高そうな加々美莉々亜との関連性は? 現時点ではそれが何なのかまだ想像付かないねぇ。謎が一気に膨らんで、急激に先の展開が楽しみになって来た。

 ……チヨダ・コーキってライトノベル作家かな? なんかそれっぽい感じが。