[著者:西尾維新/イラスト:竹/講談社 講談社ノベルス]★★
シリーズ最終章の上巻。現時点で、この物語の終わりってやつが想像つかない。終わって欲しくないとかの気持ちからじゃなくて、終わる気が全くしないって気持ちから。どこまでだってやれそうで、どこまででも戯言遣いとして変わらずに生き続けて行けそうで。
でも既に完結はしてるので、どんな着地で終着点に辿り着くのか非常に興味深い。終わるとしたらどう終わるか……いーちゃんが自分自身を赦せるようになった時、とか? もし赦せたならば、望む望まないにかかわらず他人の代わりに身を削り命を磨り減らしてばかりの所から、“自分自身の為に”笑ったり、泣いたり、怒ったり、哀しんだり、喜んだり、する事が出来るかも知れない。何かが変わる事で物語を終えられるのかも知れない。
……まあその辺は何となくの想像って事で。幕を引く前に為すべきは、過去と向き合う事か? 過去の罪(何の罪かはまだハッキリしてない、と思う)を償う事か? 過去の呪縛を解き完膚なきまでに破壊する事か?
いずれにしろ、いーちゃんが幾度も口にしていた“あいつ”と、六年前の詳細がようやく判明しそうな雰囲気で益々目が離せない。
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