SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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彩乃ちゃんのお告げ

[著者:橋本紡/講談社]★★

 彩乃ちゃんの「ふしぎな力」。

 どの程度の“ふしぎ”なのかは実は明確に描かれていなかった(と思う)んだけど、おそらく力そのものは“未来を予見する”という能力。それもどうやら遠い未来ではなく、ほんの少し先の未来を見通せるくらいな模様。

 ただ、私が感じた“ふしぎ”という要素。この部分は『未来視』の能力を指しているのではなくて、彼女の力が必要な人の行く先=近未来を“ちょっとだけ良い方向にずらしてあげられる”事を指しているんじゃないかなと。今回の場合はどのケースも良い方向に行き易い流れだったけど、例えば逆に良くない未来を見たとしても、彩乃ちゃんなら流れを良い方向にずらし導いてくれるんじゃないだろうか?

 その辺りを“ふしぎ”と指して言っているように思えた(或いは悪い流れは最初から回避してしまう力もあったりとか)。

 好みと言えば三編どれも好みなのだけど、一番の好みは第二話、かな。誰に何と言われ様と、自分の信念を貫き頑張っている奴が恋愛成就という形で報われる……そんなエピソードに心惹かれた。

 これはもっと他のエピソードも読んでみたいなぁ(彩乃ちゃんの詳細に踏み込むまではまだ色々描けそうだけど……今でも雑誌掲載やってるんだろうか?)。