SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

DDD2

[著者:奈須きのこ/イラスト:こやまひろかず/講談社BOX]★★

 あー。やっぱりその人の本質をよく把握も理解もしない内に、憶測だけで“一般人に見える”なんて言うもんじゃなかったな。霧栖は紛れもなくどうしようもなく異常だわ。悪魔憑きではないけれど、分類すれば一般人に入るのかも知れないけれど、これだけ見事に悪魔憑きと渡り合えているのだから、彼も異常という括りが適しているのだと思う。

 で、今回は凄かった! 凄い本気を感じた! ……よもやそれが野球とは。熱血高校球児とは。全くの想定外、しかもめちゃくちゃ熱い高揚感溢れる展開。霧栖と鋳車のかつて果たされる事のなかった因縁の勝負、過去を清算する為の決着、堪らなく良かった。

 今回は一巻目から見て、一旦過去に遡り、また現在に戻って未来へ向かう展開。アリカが請け負った最初の悪魔憑き事件、その顛末は埋まったけれど、まだ他に色々と埋まっていない“穴”がある。カイエの事、日守秋星の事、カナタの事など……本物の悪魔や重度の悪魔憑きの心理ってやつはさっぱり分からんなぁ。理解不可能だ。

 ……でも、もしそれらの理解不可能の穴が埋まって理解可能になれば、物語は益々加速して盛り上がってくれるんじゃないかなぁ? 果たして次はどんな穴を埋めてくれるのか、楽しみに待つ。

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