SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

図書館戦争

[著者:有川浩/イラスト:徒花スクモ/メディアワークス]★★

 『メディア良化法』の成立・施行と図書館自衛。初っ端の説明だけでは両要素の繋がりがしっくり頭の絡まなくて。

 つまり……冒頭で描かれていたまるで自衛隊の如き訓練風景、それは実戦を想定した必要不可欠のものであるのだろうけど、我々が知る『図書館』という舞台に果たして必要不可欠なものなんだろうか? まあそんな疑問。ほら、こういうのって戦闘状況を目の当たりにして直に触れてみないとなかなか理解し難いもんだから。

 実際『良化特務機関』との武力衝突を体感した後に疑問は一挙解消。こりゃさすがにね、武力対抗し得るだけの自衛策を有していないと簡単に蹂躙されちゃうわ、と納得。しかし心情的には断然当然図書館寄りながら、本が影響して自殺やら何やらが起こったと突き付けられてしまうと、憤りながらもあくまで受け流しつつ自衛の姿勢を保つしかないんだろうな現状は……なんて受け入れてたりも(そこが非常に歯痒くもあるんだけどねぇ)。

 最初は付いて行くのにもたついてしまったものの、図書館とメディア良化法の二つの要素の因縁深さが理解出来てからは一気に加速が掛かってうまく飛び乗れたかなと。両サイドの因縁が今後どんな形で変化してゆくのか、期待しつつ追ってみたい。

 ……あー、あとあえて触れてなかったけど(あまりのじゃれ合いっぷりに付き合ってるこっちが何か馬鹿みたいでさぁ)郁と堂上の関係とかも気にしてみようか。思いっきりニヤニヤしながら。