[著者:有川浩/イラスト:徒花スクモ/メディアワークス]★★
シリーズ最終巻。稲嶺司令勇退の影響により見せ始めた図書館変革の兆し、何処かでケリをつけなければならないメディア良化法問題、「いい加減ハッキリさせろや!」と強く背中を押したくなる程にじれったい郁と堂上のベタ甘恋愛模様……完結編はこの三つのどれかに焦点を絞って来るのかな〜?
と事前予想してたのだけど、読後の感触はほぼ均等配分で満遍なく楽しめたかなと思う。スッキリ気持ちよく一挙解決……とは行かないまでも(とりわけメディア良化法絡みは大打撃与えたにしても完全に根絶したわけじゃないからねぇ)、怒涛の如く駆け抜けて最後は収まるべき所に落ち着いてくれてホッとした。
中でもケリがついて一番ホッとさせられたのは勿論郁と堂上の事。文字通り奪う様なキスして告白なんて郁らしいなぁとか、騒動の勢いに上手く乗って一気に決めちゃったなぁとか、あれやこれやと思いつつ最後は「良かったな〜」と。
……しかし、ラストシーンのあの激甘新婚さんは何なんだ一体? 『篤さん』とか『郁』とか名前で呼び合ってやがるし!
顔を合わせりゃ舌戦を繰り広げていた二人に何があった? 惜しむらくは告白してからそこに至るまでの過程が省略されていた事くらいか。どうせじゃれ合うばかりってのが容易く想像出来てしまうのだけど、経緯が凄く知りたい。何処かで描いて欲しいなぁ。