[著者:一柳凪/イラスト:狐印/ガガガ文庫]
一柳 凪/弧印 小学館 2007年09月19日
第1回小学館ライトノベル大賞『期待賞』受賞作。
これはまさに“イラストに釣られてしまった誰かさん”状態ではないか〜。ライトでポップな雰囲気とは裏腹に、結構重く圧し掛かってくる内容(主に中盤以降が)。それに加えて物凄く“濃い”(主に三輪先輩が)。
手っ取り早く言うならば「ちょっと先輩! 貴女の薀蓄はマニアック過ぎて聞いてると脳味噌擦り切れそうです!」ってな具合。正直誰か歯止めを効かせてくんないかな〜?
とか希望してた。……無知でごめんよ先輩。 一応『平行世界』のテーマで、先輩の薀蓄の中にそれを解くヒントが幾つも込められている(らしい)ってのはぼんやり掴めてたのだけど、果たして途中から脱落気味だった私はどれだけ噛み砕けて理解出来たのやら。ついて行けなかった自分が悔しい……。
『虚数の庭』という書籍を読んで眠り、夢をみて、その夢に定められた“文字列”を分解して再構成して別の形に並べ替える事が出来れば、別の平行世界に飛べる、という解釈で合ってる?(どうですか先輩)。
ただ、その夢の中にも夢があって、更に夢の中の夢の中にも……と無限に枝分かれしてるらしく、一旦別の世界に飛んだら(飛ばされたら)スタート地点の世界には戻れないかも、と。エピローグではその辺が見事に強調されていて、何かこうもやもや〜っとしてるんだけど、この物語には相応しい結末だったのかなと。