[著者:横山忠/イラスト:成瀬ちさと/スーパーダッシュ文庫]★
警極魔道課チルビィ先生の迷子なひび
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横山忠 集英社 2007年09月
第6回スーパーダッシュ小説新人賞『佳作』受賞作。
読む前に想像してた“ドタバタなノリのコメディ”一辺倒ではなかったね。ん、主にチルビィの素行が原因でとぼけた掛け合いもあるにはあるんだけど、当てが外れた事で「へぇ〜意外〜」な呟きが漏れたりも。後半はガチで激しいバトルメインな展開だったからなぁ。幼く可愛らしいチルビィとのアンバランスさがなかなか良い感触だったのかも。
己の魔道能力で生み出した特殊兵器を振るう『道士』達と、多くの人間の生贄によって召喚された『上級魔獣』との戦い。特に終盤、これがかなりの密度で描かれていてなかなか読み応えあり。チルビィの普段の「おこちゃま脳」と戦闘の「死神の子供(デス・チャイルド)脳」のギャップの激しさに、戦闘描写との相乗効果がよく表れていたなと。
ただ、序盤の設定説明な描写で「ちと詰め込み過ぎかなぁ」と思ったりした。いや、次から次へと出てくるもんだから、私の処理能力が追っつかなくて……。もうちょい簡潔な方が良かったかな? という気持ち。でも、読み進める内に少なくとも魔道関連は充分理解出来ていたし、次巻に進めば自然と飲み込めて来る(と思う)から多分些細な問題。