[著者:清野静/イラスト:古夏からす/角川スニーカー文庫]★★
時載りリンネ!(1)
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清野静 角川書店 2007年08月
第11回スニーカー大賞『奨励賞』受賞作。
『時載り』種族が“生きる為に本を読む”というこの設定が本読み好きな奴を狙い撃つ。私は見事に撃ち落された。だってさぁ! 1日平均70冊読めたら……読めたら……未読の山をあっさり消化出来るじゃないか! そんな風に妄想すると心躍らない? そんなの私だけだろうか?
ああ、時載りになりたい。そこまで妄想を増幅させてくれる素晴らしい設定。そういや立ち読みで済ませりゃ食費要らず? と思ったけど、日本は物価高で金銭面で苦労する、なんて表現もあったような……時載りが生命維持してゆくには立ち読みじゃ済まない読書量が必要なのかねぇ。例えば300頁程度のライトノベルでは、最低限1日に必要な摂取量に換算すると何冊くらいになるのか? そう考えながら読むのもなかなか楽しい。
口絵でリンネが語っていた言葉がまさにそのまま描かれていた。『時載り』という特殊設定を含んだ、少女と少年の夏休みの一風景。ちょっとどきどきな普段と違う冒険がくすぐったくて気持ち良い。新しい輝きを得たリンネと久高のこらからを是非見守り続けてみたい。