時載りリンネ!1 はじまりの本

[著者:清野静/イラスト:古夏からす/角川書店 角川スニーカー文庫]★★

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)

 第11回スニーカー大賞『奨励賞』受賞作。『時載り』
種族が“生きる為に本を読む”というこの設定が本読み
好きな奴を狙い撃つ。私は見事に撃ち落された。だって
さぁ! 1日平均70冊読めたら……読めたら……未読
の山をあっさり消化出来るじゃないか! そんな風に妄
想すると心躍らない? そんなの私だけだろうか?
 ああ、時載りになりたい。そこまで妄想を増幅させて
くれる素晴らしい設定。そういや立ち読みで済ませりゃ
食費要らず? と思ったけど、日本は物価高で金銭面で
苦労する、なんて表現もあったような……時載りが生命
維持してゆくには立ち読みじゃ済まない読書量が必要な
のかねぇ。例えば300頁程度のライトノベルでは、最
低限1日に必要な摂取量に換算すると何冊くらいになる
のか? そう考えながら読むのもなかなか楽しい。
 口絵でリンネが語っていた言葉がまさにそのまま描か
れていた。『時載り』という特殊設定を含んだ、少女と
少年の夏休みの一風景。ちょっとどきどきな普段と違う
冒険がくすぐったくて気持ち良い。新しい輝きを得たリ
ンネと久高のこらからを是非見守り続けてみたい。