流血女神伝 喪の女王8

[著者:須賀しのぶ/イラスト:船戸明里集英社 コバルト文庫]★★

喪の女王〈8〉―流血女神伝 (コバルト文庫)

喪の女王〈8〉―流血女神伝 (コバルト文庫)

 シリーズ完結。初っ端からの彼女の最期を皮切りに、
まるで連鎖反応を起すが如く波及し次々と……。ただ、
志半ばでこの世に悔いを残して去ったのではなく、己が
が成すべき事を最後まで成し遂げた上で逝く姿は、大き
な救いとなって読み手側の心に刻み込まれた。
 改めて思い返してみると、生き続ける者達に後を託し
て去って行った人達は、その殆どが自分が果たすべき事
を納得のゆく形でやり遂げ、現世に悔いを残さず逝く事
が出来たのではないだろうか? しかもそこに働いてい
たのは神に翻弄された意思とやらではなく、紛れもなく
“人間としての意思”だったんじゃないかなと。
 一方で生き続ける人達は、まだ現世に何かやるべき事
が残されているから、ルトヴィア帝国崩壊の大惨劇をも
生きて乗り越える事が出来た……と私は勝手に考えてる
のだけど。それもまた神々の意思で“生かされている”
のではなく、人間としての個々の意思で“生きている”
のだと思うし、きっとそうであると信じていたい。
 子供世代の話は、「いつか、書けたらいいなあ」とい
う希望段階のようだけど、いつか読めたらいいなぁ。

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