SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ソード・ワールド・ノベル ダークエルフの口づけIII

[著者:川人忠明/イラスト:椎名優/富士見ファンタジア文庫]★★

 囚われの警備兵アマデオ。彼の知る『表』と知らない『裏』とで新事実が色々発覚。アマデオには単なる弱いままのいち警備兵で終わって欲しくない、と期待を寄せてはいたものの、こんな大きな秘密があったとは……。

 にしても今回の事態、口に出して言いたい事がことごとくネタバラシに繋がってしまいそうで困った。途中まではアマデオ救出と囚人暗殺という単純明快な任務だったのに、アマデオと囚人の男が出逢ってから主に人間関係が一気に複雑混迷になってしまったなぁ。

 とりあえず押えておくべき疑問点は、アマデオの出生とエビータとの関係についての真実は? ベラが自らの存在を隠してまで遂げようとしている目的は? という辺りか。あとはベラを始め極少数しか知らないララサベル公爵の“秘密”をエビータも知っているらしく、その事が後々どんな風に影響してくるか? とか。

 ラストで表向きベラがこんな状況で、アマデオとは一旦完全に……なっちゃったんだけど、彼女から預かったものを返す為にきっとまた……と、希望を抱きつつ、更に深い闇に沈み込みそうな物語の結末を辿ってみたい。

既刊感想:III