SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

DOORSI まぜこぜ修繕屋

[著者:神坂一/イラスト:岸和田ロビン/角川スニーカー文庫]★★

 これだけ「なぜそうなる?」「どうしてそうなる?」が溢れ返ってるのに、不思議と疑問を抱かせない、抱く隙を与えない“勢い”に圧倒された。ある意味、妹(智紗)に対する姉(美祢)の愛のなせる業? とか。

 あとがき眺めた限りでは、物凄い行き当たりばったり感がひしひし伝わって来るんだけど、結構そういうポーズを取っている裏では「なぜ? どうして?」の疑問符が後々ちゃんと外れるような事を考えているかも知れないなー、神坂さんの場合。でも、何の脈絡も伏線も無くいきなり『完』ってのだけはヤメテ下さい……。

 美祢の世界がえらい事になってしまった原因。もしかしたら……美祢がドアを潜って他の世界で修繕作業をしているのと同じ事を、別の誰かがやっていた(或いは今もやってる)せい、なのかなぁ? 全くの憶測で当たってる自信皆無なんだけど。ほら、4話目が元の世界に酷似した別世界を壊す、ってエピソードだったから、何となく同じ事を他の誰かもやってたりするのかな、と。

 まあともあれ、果たして諸々の疑問符が外れてくれるのかどうか、見通し利かない今後の行方が楽しみ。