SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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螺旋のプリンセス1 ぼくと自転車の騎士

[著者:椎野美由貴/イラスト:瀬田ヒナコ/角川スニーカー文庫]★★

 とりあえず、何を置いても聖が“女の子っぽい男の子”じゃなくて心底ホッとした! いや、そんなだったら高確率で直哉と「アーッ!」な関係になっちゃうって危惧を抱いてしまったんだよ(まあ角川スニーカーで、んな展開にはならんだろうとは思ってたけど……)。

 それに聖ってかなり保護欲を刺激する、所謂“抱き締めたい程守ってあげたい娘”なもんで、もしそれが男の子だったとしたら……何となくやばい方向に気持ちが傾いてた、かも知れないし……女の子で良かった!

 物語の方は、気弱なお姫様と彼女を守護する為に戦う騎士、な感じの内容。設定面で色々凝った仕掛けがある風にも見えるけれど、割と“姫と騎士”の真っ向勝負。

 途中まではどうも聖が自己主張出来ずに流されまくっていたり、直哉の過去がぼかされていたりでなかなか波に乗れなかったんだけど、終盤一気に来た。意外に重いもの背負ってた直哉の過去が特に印象的に響いて良かったなぁ。今後の聖と湖子との三角関係は勿論気になるけれど、過去の若葉様との関係もちょっと見てみたい。