SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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θ 11番ホームの妖精

[著者:籐真千歳/イラスト:くらぽん/電撃文庫]★★

θ(シータ)―11番ホームの妖精 (電撃文庫)

θ(シータ)―11番ホームの妖精 (電撃文庫)

 義経(狼さん型サイボーグ)に萌える小説。とか言ったらT・Bに一週間レタスサラダの刑に処せられるだろうか? まあフル・サイボーグなれども可愛らしい女の子な容姿、しかしその実態は150年も生きているおばあ……おおっと口が滑った。

 ともあれそんな事情なもんで、見た目若くても精神的に達観した落ち着きのあるT・Bよりも、急所を突付くと途端にボロが出る義経に萌えるのが私としては楽しかったのですよ。……それ絶対違うと言われようが何だろうが気にしない方向で。

 ハードSF的な要素は、この物語にうまく噛み合ってるのか、それとも胡散臭さ満載なのか、正直良く分からんかった(大して理解してなかったとも言う)。ただ、難しく並び立てた後で、T・Bが割と噛み砕いて説明補足してくれた辺りは割と新説設計だったかも知れない。

 でも、それより何よりT・Bの視点で彼女の感情を描く部分が凄く良かった。綺麗な所もそうでない所も、心に響くモノが多く含まれていたなと。くるくる〜っと指を回して描くθの意味、これがね、一番好きだったな。