SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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スプライトシュピーゲルIII いかづちの日と自由の朝

[著者:冲方丁/イラスト:はいむらきよたか/富士見ファンタジア文庫]★★

 『オイレン』サイドのMPB3人娘とは直接交わらない単独エピソード。敵の攻撃をひとつ潰したと思ったら、別なる先の一手が仕掛けられており、それを駆逐すればまた更に……といった具合。優位に立とうともがけばもがく程締め付けがきつくなって行く様は、さながら凶悪な毒蛇にじわじわ巻きつかれるが如く。

 単純に勝ち負けで言ったら、タイムリミット24時間以内に味方の窮地を救い、内側の敵を暴き退けたMSSの勝ちって事になるんだけど、心身共に並々ならぬ損傷を負ったせいか明るいムードにはなり切れず。

 ただ、鳳、乙、雛の三人にとっては、今回のこの戦いの中で、誰の為に“戦うべきか?”“戦っているのか?”“戦いたいと思うのか?” 或いは“誰が居るから戦えるのか?” それらの答えに気付けたのが、もしかしたら大きな収穫だったのかも知れない。

既刊感想:
オイレン
スプライトIII