パーフェクト・ブラッド1 彼女が持ってるボクの心臓

[著者:赤井紅介/イラスト:椋本夏夜集英社 スーパーダッシュ文庫]★

 惜しい。惜しいよー。“一定以上彼女との距離が開
くと死あるのみ”な設定をもちっとアピールして活か
してくれてたらなー、と思った。それが足枷で裕樹が
危機に瀕するシーンは幾度かあったけれど、どちらか
と言えば“透華と離れたから”ではなくて“敵の魔法
によって”危機的状況に陥る印象が強かったので。
 結局の所、裕樹と透華が近付こうが離れようが、主
に命の状況や戦闘の勝敗を左右したのは魔法士能力の
優劣だったからねぇ。前述の設定を活かし切れてなく
て惜しい! と思ったのはそんな所から(とは言え、
日常での透華や雪子とのニヤニヤシチュエーションを
築き上げる為に、この設定が大層役立っていたので、
ある意味充分活かされいたと言えるのかも?)。
 『パーフェクト・ブラッド』という言葉が“彼女”
から発せられてからの終盤の展開は、盛り上がりに拍
車が掛かってくれて良かった。物語背景の全貌が何と
なく見えた所で、アレを宿してしまった裕樹の成長、
透華との関係などに注目しつつ続きを追ってみたい。