[著者:赤井紅介/イラスト:椋本夏夜/スーパーダッシュ文庫]★
パーフェクト・ブラッド(1)
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赤井紅介 集英社 2008年01月
惜しい。惜しいよー。“一定以上彼女との距離が開くと死あるのみ”な設定をもちっとアピールして活かしてくれてたらなー、と思った。それが足枷で裕樹が危機に瀕するシーンは幾度かあったけれど、どちらかと言えば“透華と離れたから”ではなくて“敵の魔法によって”危機的状況に陥る印象が強かったので。
結局の所、裕樹と透華が近付こうが離れようが、主に命の状況や戦闘の勝敗を左右したのは魔法士能力の優劣だったからねぇ。前述の設定を活かし切れてなくて惜しい! と思ったのはそんな所から(とは言え、日常での透華や雪子とのニヤニヤシチュエーションを築き上げる為に、この設定が大層役立っていたので、ある意味充分活かされいたと言えるのかも?)。
『パーフェクト・ブラッド』という言葉が“彼女”から発せられてからの終盤の展開は、盛り上がりに拍車が掛かってくれて良かった。物語背景の全貌が何となく見えた所で、アレを宿してしまった裕樹の成長、透華との関係などに注目しつつ続きを追ってみたい。