SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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聖剣の刀鍛冶

[著者:三浦勇雄/イラスト:屡那/MF文庫J]★

 オトコマエでオトコラシイ。女の子への賛辞に使う言葉じゃないけれど、セシリーの勇気ある行為に対しては、思わずこうやって褒め称えたくなっちゃう(その後怒りと羞恥の真っ赤な顔してぶん殴られそうな気もするけど……)。可愛いではなく凛々しい。淑やかではなく勇ましい。己の未熟を充分理解しながら、それでも戦いの恐怖に打ち克つべく剣を携え振るう姿は、やはり“カッコイイ”という言葉がよく似合う。

 今回は少女騎士と、ワケありな刀鍛冶男と、ワケありな刀鍛冶助手少女と、ワケありな女性型魔剣との出逢いの物語。最初の絆を繋ぎ結ぶ為のエピソード。

 そういや素性が知れてるセシリー以外は“ワケあり”ばっかりだな。深い所までは語られなかったので仕方ないんだけど、せめてルークの背景についてはもっと見せてくれても良かったのに、というのが正直な所。その辺の欲求不満は次で解消してくれたら嬉しい。