[著者:本保智/イラスト:かわく/角川スニーカー文庫]★★
読んでいると、永谷園のお茶づけが無性に食べたくなる小説。飲み屋のシメのお茶づけではなく、自宅の冷や飯にお茶を注いで掻っ込むあれ。あれ限定。あれじゃなきゃ認めない。ああいうのが食べたくなる。
……まあこの物語で『お茶づけ』なるモノが重要かといえば、全く重要でもなんでもないんだけど、ただ、“そこに無くてはならない存在”であるのは確か。
物語的に重要なのは『多次元交差点』の方。うなるまひるのツッコミと拳、しなるココの鞭とドロップキック。毎日毎日自業自得で虐げられ続けるミサキは、多次元交差点ホテルの中で何を思う? 一体どこまでがおふざけでどこからが本気なんだか、彼の思考は読み難いね〜。これからまひるがどこまでミサキの本心に近付けるか? 懐中時計の謎も含めて続きに期待。