[著者:須賀しのぶ/イラスト:駒田絹/コバルト文庫]★★
アンゲルゼ(最後の夏)
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須賀しのぶ 集英社 2008年06月
シリーズ第2巻。まだ2巻目だというのに“幸せな結末”というやつがこれっぽっちも想像出来ない過酷な現実。……いや、この程度じゃまだ甘いな。過酷さが陽菜に牙向き本領発揮してるとは言えないかも?
『未孵化』な存在。アンゲルゼに対抗し得る事の出来る稀有な能力。最早陽菜が嫌だと駄々をこねても、決して逃げられない所まで追い詰められつつあるんだけど、それでも遙や楓など陽菜を心配して親身になってくれる人が居る。それだけで救われている。精神面の糸が切れずに辛うじて乗り越えられている。
でも、もしその存在が潰えてしまったら? この予感が払拭出来ず常に頭にあるから、陽菜の叫びを目の当たりにする度に、非常に脆く危うく映ってしまう。
今は能力向上目的の訓練段階だから、まだ大丈夫だろうって気持ちがある。これが実戦でアンゲルゼと対峙する事になったら……あんまり深くは考えたくないなぁ。先を覗くのが楽しみだけど怖い。そんな心境。
既刊感想:孵らぬ者たちの箱庭