SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 善意の指針は悪意

[著者:入間人間/イラスト:左/電撃文庫]★★

 まるで『みーくん××してる』の“××”に適切な言葉を入れて台詞を完成させよ……と、作中ずっと問い掛けられていたかのよう。なるほどなるほど〜、これは確かにみーくん(と偽って演じている主人公の彼)にとっては致命傷を負いかねない一撃だよな。

 何かの切っ掛けによってまーちゃんの心が壊れたのならば、何の前触れもなく突然別の切っ掛けで元に戻るかも知れない。今のみーくんは何よりもそれを恐れている。そうなる可能性に恐怖心を抱いている。多分××はみーくんの……だと思う。もしそうだとして、まーちゃんの記憶の底にその真実が眠り残っていたとしたら? そりゃまーちゃんから『××してる』と聞く度にみーくんが戦慄してしまうわけだよなぁ。

 まーちゃんの心が修復される兆しは全く見られないので、嘘まみれな関係は当分続きそうな予感。ただ、いつ切っ掛けが訪れてもおかしくない危うさもある。

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