SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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シフトI ―世界はクリアを待っている―

[著者:うえお久光/イラスト:STS/電撃文庫]★★

 ハードカバー版は既読。文庫新装版での3巻を心待ちにしつつ再読。前と違ってたのは、夢世界のシステムを最初から理解していたので、いきなり放り込まれても面食らわなかった事。それから挿絵追加のお陰でキャラクターイメージが大幅に膨らんだ事、かな。

 夢でのキャライメージは千差万別。しかしながら、精神面は例外なく(ラケル=裕樹の言葉を信じるならば)中学生〜高校生レベル。決してここを忘れず見落とさず、常に意識して読み進めてみると、非常に興味深く面白い手応えが得られる。この巻は夢世界メインで、現実世界の方はまだあまり絡んで来ないんだけど、今後二つの世界の境界線が曖昧になった時こそ、設定が充分に活かされ、この物語の本領が拝める筈。

 ラケルの過去と本性、セラの現実世界での姿、鷹生の夢世界での姿、夢世界の建国について、現実世界に残されたシェヘラザの希望。要注目な要素は色々と。

既刊感想:ハードカバー版II