SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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マクロスフロンティア Vol.1 クロース・エンカウンター

[著者:小太刀右京/イラスト:江端里沙・青木ハヤト/角川スニーカー文庫]★★

 同名アニメのノベライズ。歌と映像で魅せるアニメに対し、キャラクターの心理描写で魅せる小説版。内面の微妙な揺れ動きまで詳細に描く事が出来るのは、文章媒体ならではと言った具合で、そういった長所が絶妙に効いているなという印象。特にアルトが歌舞伎役者の跡取りで、父親を強烈に意識している心理面はアニメではあまり見れなかったんじゃないかな?

 ストーリー展開については、大きなイベントはほぼアニメの順序通りに進んでいたけれど、細かい部分でアニメとは違う展開やシーンが多く、結構手が加えられている。向かうべき先は一緒ながら、小説オリジナルの要素をしっかり手応えとして得られて良かった。

 あとは私はマクロスFが所謂“初マクロス”なもんで、過去の歴史が理解し易くちょこちょこ挿入されてたのは嬉しかったな(知ってる人は多分違う意味で嬉しくなる事請け合い)。この続きも、小説でのオリジナルな展開やシーンに期待を寄せつつ追ってみたい。