[著者:佐野しなの/イラスト:鶴崎貴大/電撃文庫]★
佐野しなの アスキー・メディアワークス 2008年08月
トナカイに轢かれたとか美少女サンタと同居生活とかサンタアレルギーとか、そんなの最早どーでもいいわ! と投げ出しそうになった頃にようやくそれら要素がじわりと効き始めて来るという割と困った物語。
だって東司とにこらは最初からずっと会話も噛み合わなければ考え方も噛み合わず、女の子が傍に居るのに全然関係が進展しそうもなければどきどきわくわくもしねーよ! ……と東司は嘆いてたに違いない。
ま、トナカイに轢かれた件に関しては、かなり遠回りした後で東司自身に影響を及ぼす為に戻って来たんだけど。そこからやっとにこらの感情に劇的な変化が表れて、「キター!」と歓喜したとこで終わっちまったんだよなぁ。もうちょい東司とにこら気持ちが噛み合って、美早子が対抗馬として絡んでゆけば面白い事になりそう。あとは周囲で騒いでただけであまり存在意義の感じられなかったトナカイ達にも救いの手を。