SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

リバース・ブラッド3

[著者:一柳凪/イラスト:ヤス/ガガガ文庫]★

 前巻の予告通りに夏のバカンス篇。で、案の定本筋の物語がサッパリ進んでくれなかった。元々葛城悠久の意志や思考が非常に抽象的かつ曖昧で把握し難く描かれているもんだから、彼が研究対象としている『蝕能』を有する巽や呉羽が直接絡んでくれないとね。どうやっても一定以上は進展し様が無いというか……今回も今後への繋ぎっぽい内容だったのでちと残念。

 そんな中で収穫があったとすれば、巽が異能者同士の戦いに翻弄される事無く、落ち着いた気持ちで自分の失われた過去の記憶と向き合えた事。この辺は心に余裕の無い状況だとじっくり身構えて臨めないから、巽にとっては適度な休暇が良い方向に作用したのかなぁと(辛い記憶だったけど、自力で思い出して受け入れられたので結果的には好転だったように思う)。

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