SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート

[著者:森田季節/イラスト:文倉十/MF文庫J]★★

 第4回MF文庫Jライトノベル新人賞『優秀賞』受賞作。

 不可思議で奇妙で、どちらかと言えば良い意味で掴み所が曖昧なお話(あえて知りたい事を曖昧にぼかして明確に掴ませないような描き方、かな?)。

 “音楽を奏でる”という行為に重要な意味合いが幾つも含まれている物語。けれども、「じゃあ何が重要でどんな意味合いが込められているの?」と問われると、ハッキリした答が出せず返事に困ってしまう。

 心に深く染み込む良き物語を奏でてくれているのだけど、何処か掴み所を有耶無耶にされてしまうような……不思議な魅力を感じさせてくれる物語だなぁ。

 最後、再会までは描かれなかったけど、神野の想いが込められた歌詞を信じるなら、きっと明海と再び巡り逢い、実祈と再結成を果たせている事だろうなと。