[著者:しなな泰之/イラスト:柏餅よもぎ/スーパーダッシュ文庫]★
第7回スーパーダッシュ小説新人賞『佳作』受賞作。
主張したい事は受け取った。つまり……男は誰しも服の中に獰猛な獣を隠しつつ、来る時に備えて飼い慣らしているって事だろう!(なんか色々と酷いな)。
女の子に近寄られる度に、妄想の獣と隠し持った身体の獣をたぎらせまくる我らが主人公・章輔君。どうも思考が自虐的というのか、「お前はわざとやってんのか?」と問い掛けたい程に自ら妄想の泥沼にハマってる姿を見る度、「この変態!」と罵りたくなってしまう。むしろ罵って欲しいのか? Mか? ドMなのか? と、そんなしょーもない印象だったよ。
まあ思春期少年にはありがちな事。でも章輔の持て余し気味な妄想力と性欲と肉欲はちとヤバいんじゃないか? 溜め込み過ぎって意味で。とにかく早急に吐き出してしまえ! と。最後まで章輔に対してそれだけが言いたかった(スイーツやら女の子達との関係やら他に触れるべき所があった筈なのにねぇ……)。