どろぼうの名人

[著者:中里十/イラスト:しめ子/小学館 ガガガ文庫]★

どろぼうの名人 (ガガガ文庫 な 4-1)

どろぼうの名人 (ガガガ文庫 な 4-1)

 第2回小学館ライトノベル大賞『佳作』受賞作。
 ラプンツェルが初雪ならば、彼女を幽閉した魔女と
は愛の事なのか? でも、初雪が恋して求めたのが愛
ならば、王子役もまた愛って事になるんじゃないんだ
ろうか? じゃあ魔女役は元々初雪を仕向けた葉桜な
のか? それとも愛の一人二役? 初雪の夢の中では
魔女=王子だったとか? ……てな事をつらつらと考
えつつ、まあハテナマークを幾つ並べても足らないく
らい常に疑問符が付き纏う奇妙な物語だったなぁと。
 全体的な空気は淡く儚げながら、唯一点“百合”な
要素だけはちょっと嗅ぐだけで酔い潰れてしまいそう
な程に濃密。その雰囲気に強く惹き付けられた。
 ただ、裏で暗躍していた葉桜については、やっぱり
もう少し深いとこまで追求して欲しかったかも。