[著者:杉原智則/イラスト:3/電撃文庫]★★
皇子の身分と、剣闘士の技能と、奴隷の立場とを巧みに演じ分けて陰謀に塗れた帝都を駆け抜けるオルバ。今回は特に“どの姿で”“誰の為に”“何をすべきか”を、より深く慎重に考えつつ葛藤を繰り返しているオルバの様子が強く印象に残った。
もう単純なオーバリーへの復讐心のみで迂闊に動く事は出来なくなり、様々な事態を想定しながら進まなければならんだろうなぁ(オルバの周囲を見渡すだけでも動向が気になる人達の多い事多い事)。
次は帝都を出ての遠征らしく。同行するビリーナとは、陰謀に対する為動きっ放しの誤魔化し続きだった今回よりは触れ合う機会が訪れるだろうか?
既刊感想:I
杉原智則 アスキー・メディアワークス 2008年11月