[著者:大西科学/イラスト:refeia/GA文庫]★
雪平にとっては戦う事への執着もなければ確固たる理由も目的も特には見当たらず、一方クニには雪平が持ち得てない戦いに臨む意志ってやつを幾つも抱えていそうだけど、それを結実させるまでには至らない。敵との熾烈な浮船戦を経た後、手元に何が残って何を得られたかと言うと、実は何も残らず得られずだったんじゃないかなぁと。《峰越》を損傷して戦っても戦っても戦っても、結果として空虚さばかりが募る。今回はそういう部分を、あえて地味に目立たせないような描き方が良かったなと。
雪平にはクニを護る為に戦う意思を、クニにはそんな雪平の気持ちを受け留めるだけの心のゆとりを、先の展開で織り交ぜつつ見せて行って欲しいな。
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