[著者:枯野瑛/イラスト:得能正太郎/富士見ファンタジア文庫]★★
シリーズ最終巻。当然ながらこれ以上伏線が張られる事もなかったんだけど、今までの謎を全て理解して納得して読み終えられたか? と考えてみると、そういう気持ちにはなれなかったかもなぁと。
……多分、だけど。リュカの身とフィオルの“嘘の魔法”とジネットの足跡と過去の出来事と、そういう重要な部分に掛かってる伏線は本当に初期の段階(それこそ1巻目辺り)から張られてたんだと思う。ただ、この最終巻でようやく鮮明に見えたような真実が一向に姿を現さなかったから、戸惑う事ばかりだったのかも知れない。本当はリュカにはフィオルとクローディアとの事で何らかの決着をつけて欲しかったのだけど、終わってみれば未解決で余韻を持たせる結末は実にこの物語らしいのかな、と。